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長男りーくん、ホントは鉄道ひとり旅に行きたくない?

長男りーくんの第8回目となる「鉄道ひとり旅」

今回は岡山の津山というところにある「鉄道まなび館」というところに行くのが目的らしい。

りーくんは、それはそれは楽しみにしていて、
前日の天気予報も晴天で絶好の旅日和!
ワクワクで眠りについた。

夜中、りーくんの様子がおかしい。
「夜驚症」だ。

だいぶ落ち着いてきたものの、いまだに「こわい、こわい」と泣き出すことがある。

だいたい、どこかへ出掛けて刺激を受けたとき、ちょっと疲れている時に出ることが多い。

しかし、昨夜のりーくんはなかなか目覚めず、本人としては意識がないまま泣き続け、そのまま寝てしまった。

いつもとはちょっと違う夜驚症に妙な胸騒ぎがする。

「ホントは鉄道ひとり旅に行きたくないんじゃないのかな?
頑張ってしまってるんじゃないかな?」

そんな思いが夫の頭にも私の頭にもよぎった。

りーくん=鉄道。

家でも学校でも、どこでも、みんな「りーくんといえば鉄道」という方程式ができている。
それほど、りーくんは鉄道が好きだし、鉄道を深めることに時間を費やしてきた。

実際のところ、りーくんの鉄道の知識はスゴイし、好きなことには違いない。

でも、少しずつ他のことにも興味が出てきている。

戦隊モノだって好きだし、歴史だって好き。
いろんな本を読むのも好きだし、世界が広がってきているのだ。

とはいえ、りーくん自身も鉄オタであることを自負していて、
そんな自分を誇らしく思っていることは母から見ても感じ取れる。

そんなりーくんを素晴らしいなと思うと同時に
そこに固執しすぎてる気がして少し心配になっていた。
なんとなく「鉄道オタクでないといけない」と思っている節が感じられたからだ。

「明日は行かせないほうがいいんじゃないか?」と夫に話しかけたけど、
夫はそのまま寝てしまったので、私はひとり悶々としながら布団で息子たちの手を握った。

        ☆−☆−☆

朝、私の後に起きてきた夫と話す。

「どうしようかなぁ」と言う私に「今も、うなりながら寝てたな」と応える夫。

「そっか。起きてこなかったら、もう行かせるのをやめようかな」と言うと、夫は「それは、りーくんが怒ると思うで。とりあえず起こして、ほんまに行きたいなら行かせよう」と、言い残して仕事に出かけた。

「どんなりーくんでもりーくん。そのままで大切な存在。」

私、子どもにちゃんと伝えられてるかな?
起きたら伝えよう!
そんなことを思いながら、時間になっても起きてこない長男を起こした。

「おんぶしてあげるわ!」
なんだか心配で、長男をおんぶして1階の寝室から2階のリビングに上がる。

「ん?なんか熱いな。」と背中にこもった熱を感じる。

早速、着替えてご飯を食べようとしていたりーくんは発熱してた。

そうきたか。
知恵熱なのか、ちょっとした体調不良か…

だから昨夜の夜驚症もいつもと違う感じを受けたんだ。

さすがにこの熱では行かせられないので、りーくんに「今日はちょっとやめておこう。岡山は逃げないし、春休みの間にまた行けるチャンスがあるよ」と伝えた。

泣き出すりーくん。
本人は昨夜、夜驚症が出たことはやっぱり覚えておらず、ワンワン泣いていた。

「楽しみにしてたのに」「行きたかったのに」と、しばらく泣く彼を膝の上で抱きしめて背中を撫でた。

子どもを育てていると、なにかと自分の幼少期と重ね合わせてしまう時がある。
ちょっと大人っぽいところがあるりーくん。
私もまた大人びた子だった。

りーくんは私が1話せば、10を理解してしまうようなところがあって、
それはとても助かることではあるのだけど、生きづらかった自分の思春期と時々姿を重ねて、本人がしんどくなるときがあるのではないかと心配になることがある。

自分の経験から、気づかぬうちにその眼鏡で子どもの姿をみてしまう。

ひとしきり泣いたりーくんはご飯をペロリと平らげて「熱が下がったら、明日行ってきてもいい?」と聞いてきた。

この子は私の子だけど、私とは違う人間。

さっき泣いてたのはなんやったねん?と思えるほど、りーくんはケロッとして本を読んだり、ゴロゴロしていた。

「りーくんは鉄道ひとり旅に行きたい」
そう言う彼の言葉を信じて見送るだけだね。

当たり前のことを思いながら、やっぱり子育てって深いなーと思った朝。
(勝手に掘り起こしてる感もありますが 笑)

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