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【不妊治療記録vol.27】移植か貯卵か

 31歳から妊活を始めた私と夫(35)。生理は超順調、生理痛も一切なし、婦人科検診も毎年クリア。そして夫の海外転勤、半年不発だったタイミング法。最初は私が不妊なわけがない!と思っていたけど実は”妊娠しない側”だった私たちの不妊治療記録。

低AMHを悩ませる問題

 初めての採卵結果は7個で、受精・培養結果は10日後の診察で伝えるとのことだったので私たちは一旦シンガポールへ戻ることにした。

「採卵数が7個ってそこから全部受精できるのかな?」
顕微受精の受精率は5〜7割らしい。てことは4〜5個じゃないかな?」
「でもそこから培養して胚盤胞に育てるんだよね。胚盤胞になる確率はそこから3割〜5割か」
「最悪のケースでも1個胚盤胞になるけど、まあ2個くらいはなるんじゃない?」

 胚盤胞というのは受精から5日間培養したもので、受精卵が着床できる状態になっているものである。一方で培養から1~3日ごろのものは初期胚というようだ。胚盤胞に辿り着かず全滅してしまう場合もあるので、その場合は初期胚で移植や凍結をすると受精卵を多く残すことができる。ただし胚盤胞の方が着床率が高い
 私の通っている病院では先生から「胚盤胞で凍結し、体を休ませてから次の周期で移植をするのが一番確率が高い」と言われていたので、胚盤胞凍結を目指していた。

「もし胚盤胞が3つだったら迷わず移植だと思うけど、2つか1つだったら悩みどころだよね」
「1つだったら移植してダメだったらまた採卵からやり直しでその間に卵子が減るかもしれないし、自費でやってる意味あんまないよね。低AMHも自費にした理由の一つだし。すぐ移植するなら保険でやっても良かったような」
「じゃあ1つならもう一回採卵にするか。問題は2つだった時だね」

 低AMHの私にとって、胚盤胞の数はとても重要である。胚盤胞が1つなら心許ないのでもう一度採卵でいいだろう。ただ2つだった場合はどうだろう。例えば2個だった場合1回移植してダメだったらすぐ採卵できるが、もし途中で流産した場合その間採卵もできず時間が経過してしまう。回復に時間がかかっているとその間に卵子が取れないという恐れもある。ただ保険診療であれば採卵して培養したものは移植しないと次の採卵ができないという縛りがあるが、幸い自費のため受精卵を貯める”貯卵”というものができる
 もし胚盤胞が3つあれば、1回の移植での成功率はできた胚盤胞の質によるが、3割程度(32歳の場合)と先生に言われていたので、1人は妊娠できるかもしれないという淡い期待があった。

「2つはストック的に不安だけど、もうこの不妊からすぐ抜け出したい。1回移植してダメでもあと一つあるという気持ちもあるから、2つ胚盤胞があれば1回移植して、ダメならもう1つは使わずに採卵しようと思う」
「1つ残ってるっていう安心感はあるかもね。じゃあ2つだったら移植しようか」

結果話し合いは2時間に及び結果2つ以上なら移植するということにした。そして10日後、私だけ飛行機で日本へと向かった。


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