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【不妊治療記録最終回】治療を振り返ってみた〜過去の私へ〜

不妊と生理不順は関係ない

 生理不順だったり生理痛がひどい人だけが不妊になると誤解していたね。でもそんなのは不妊の原因の一部で、あなたみたいに生理が順調で、生理痛もゼロで、子宮系の検診を毎回クリアする健康体でも不妊なことがあるよ。
 生理の問題がないから大丈夫だなんて自分に謎の自信を持たない方がいい。

とにかくAMHと精液検査だけ早くして

 あなたのAMHは低いよ。実年齢より10歳ほど歳を取ってるらしい。残ってる
AMHが低ければ残された妊娠期間も少ないから、戦略を立てられたよ。少なくとも”結婚式終わるまでは避妊しよう”なんて悠長なことは言ってられない。
 でもタイミングよく夫の海外転勤が決まったから二人で一通り早いうちに検査できたのは良かった。結局私の卵管と夫の精子に問題があったから対策が色々取れた。もし海外転勤がなかったらと思うともっと長期戦になってたし、恐ろしい。

期限を決めたのは良かった

 海外転勤前に一通り検査して手術もしたから引っ越し後はタイミング法に集中できた。でも医者からの「半年以内に妊娠できなかったらステップアップを」という助言から、半年と期限を決めてタイミング法をできたのは良かった。タイミング法5〜6回目あたりで闇落ちしてたけど、すぐ日本の病院を探して「人工授精なんてそんなのしてる場合じゃない、早く体外受精すべき」という今の主治医の言葉を信じて勢いで日本へ渡ったのはナイス判断だった!

タイミング法が一番辛かったよ

 排卵日を意識したタイミング法、辛かった。お互い事務作業みたいになって排卵日以外は無駄うちだからしなくていいやとか、お互い気乗りしない時も関係を持たなきゃいけないのしんどかったね。しかも排卵日と睨めっこしてるのが自分だけで夫は言われた日にタイミング取ってればいいという他人事な感じがすっごく辛かった。
 あなたはただ気持ちよくなるだけなのに、何で私からお願いしないといけないの??と何度思ったことか。「連続は無理」「今日は疲れてる」この言葉に何度心が抉られる思いをしたか。
 そして「今月は妊娠してる気がする!」とか勝手に盛り上がって、トイレに行けば少量の出血。着床出血かもなんて確率低いことを願いながら、結局トイレに行くたびに「血が増えてませんように」と願うのも虚しく、どんどん生理になっていったね。
 生理が来ちゃったと夫に話しても、「そうか〜」と言われるくらいで、本当に悲しんでもくれない。生理が来た絶望感でしんどくなるけど、これでまた新しい排卵日で挑戦できる!と無駄に心を明るく持っていこうとしたね。

周りの妊娠が目につくのもこの頃 

 タイミング法を拗らせてる時が一番性格も悪かった。友人の妊娠に心がキュッとなったり、芸能人の妊娠を見ては結婚してどれくらいなのか、何歳なのか調べる自分がすごく気持ち悪かった。
 お盆に義理の家族ラインで子供たちが遊ぶ写真や動画がたくさん送られてきて、涙で画面が見えなくなってそのまま通知オフにした時もあったね。マンションで子供の声を聞くと、「うるさい」「子供なんて」と思ってしまう時もあった。
 世の中そんなに私みたいにタイミング測ってみんな子供できてるわけじゃなかろうに、どうしてこんなに頑張ってるのに妊娠できないんだろうってすごく悩んでた。人の幸せがただ憎い、子供がいない人生なんて絶望だって思っていたのもこの頃。何で子持ちだけ配慮されて、子供がいないけどしんどい思いしてる私に誰も優しくしてくれないの?と思ったのもこの頃。

体外受精が精神的に一番楽だった

 日本に帰って体外受精を始めた時、自己注射の怖さに震えていたよね。でもタイミング法を比べて何をやるのかということがしっかり決まっているから、精神的には一番楽だった。採卵に向けて自己注射と服薬をする、この日に採卵をする、採卵の結果を聞く、このサイクルが私を雑念から取っ払ってくれた。
 採卵がうまくいかない時は落ち込んだし、何より自費だったから費用がしんどかったけど、また同じことを繰り返していい卵が取れるようにしよう!と思うようにしていた。体外受精では胚盤胞にならなくて移植すらできない時が一番しんどかったかな。
 移植も先生が上手くやってくれるし、あとは薬の力でどうにかするし、あまり余計なことを考えなかった。ダメなら採卵なり移植なりをするだけだから、目標というかやることが明確だからタイミング法よりは辛くなかった。

かかったお金に辛くなる

 自費での体外受精、シンガポールだと採卵〜移植まで300万程度と言われてるから断念。日本で保険で移植しようとしたら私の条件的に保険でやってると妊娠可能性が低いとのことで自費でチャレンジ。SNSで体外受精はお金がかかると言ってる投稿を見るたびに「保険なんだから全然安いじゃん」って不幸比べしてたのは体外受精の暗黒期。保険だと私はもしかしたら妊娠してなくて、お金以上に辛い思いをしていたかもしれないのにね。

妊娠しても不安は尽きない

 妊娠判定が陽性になっても、不妊脳になってるからこのまま化学流産かもって頭がいっぱいだったし、胎嚢が確認できても稽留流産になるかなと思ってたし、心拍が確認できても9週でとまるんでしょって思ってた。全然妊娠初期を楽しめず、ずっと流産の恐怖に怯えていた。
 妊娠して母親からマタニティグッズ揃えないと!と言われても「まだ継続するかわからないし」が口癖で、何も買えなかった。
 でも現在ありがたいことに妊娠を継続できている。エコーするたびに赤ちゃんに会えて、不思議な感じがする。まだまだママの実感はないけれど、ずっと望んでいた赤ちゃんが来てくれたこと、心からありがとうと思いたい。

noteでたくさんの応援をもらった

 お金もかかったし、精神的にも変になった時期はあったけど、この子に会えるならその時期も必要だったのかもしれない。これからどうなるか生まれるまではわからないけれど、noteに正直な気持ちを書いて、たくさんの人に読んでもらえて良かった。誰か一人でも不妊に悩んでいる人の気持ちが軽くなったり、背中を押せてたらいいなと思う。
 ずっとうじうじしてるような不妊治療記録だったけど、毎回いいねをもらえたりコメントをしてもらえたり、とても励みになりました。今回で不妊治療記録としては最終回になるけれど、今後は番外編として需要があるかは分からないけれど

  • 海外と日本通院&渡航スケジュール

  • 自費の体外受精かかったお金まとめ

  • 不妊治療中の心の闇

などをまとめ中です。ちなみに妊娠してからの日本での妊婦健診やシンガポールでの病院の様子なども妊娠記録などにして残していこうかなと考え中。いいね励みになるので是非お願いします!!不妊治療に悩んでいて誰にも言えない人も多いので、相談会というかお話会をオンラインでやろうかな??需要ないかもだけど…

 それでは長期にわたって連載してきた不妊治療記録ですが、読んでくれてありがとうございました。不妊治療で苦しんでいる方の共感になったり、頑張ろうって
いう気持ちにさせることができたら嬉しいです。みなさん頑張りましょうね!

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