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みみちゃんとタクシー

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 おとうさん「やれやれ、ここまで くれば、 うちは
もう すぐだよ。」
えきの かいだんを おりてきたのは、
うさぎの おとうさんと おかあさん、
それから みみちゃんと おとうとの めめくん。
4にんは でんしゃで、おでかけから
ようやく かえってきた ところです。
 みみちゃん「ねえ、ねえ、 タクシーで おうちに
かえりましょうよ。」
みみちゃんが いうと、
 おとうさん「それは いいな。」
おとうさんは さんせいです。
でも、おかあさんは はんたいです。
 おかあさん「あるいて かえりましょ。 パンも
かって いきたいのよ。」
めめくんは おかあさんと てを
つなぎました。

ーぬくー


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 みみちゃん「おとうさん、わたしたちは タクシーで
かえりましょうよ。こっち こっち。めめくんと おかあさんは、あるいて
かえれば いいじゃないの。」
 おとうさん「みみ、まちなさい。」
でも、みみちゃんは もう
タクシーのりばの ほうに いきました。
 おとうさん「ほら、おうぜい まっている じゃないか。
タクシーには なかなか のれないよ。」
 みみちゃん「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」

ーゆっくり ぬくー


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めめくんと おかあさんは、あるいて
かえることにしました。
 おかあさん「まあ、あたらしい ビルが たったと
おもったら、いろんな おみせが
できたのね。」
 めめくん「おかあさん、パンやさんも あるよ。」
 パンやのてんいん「いらっしゃい!いらっしゃい!
ほんじつ かいてんの おいしい
パンやですよ!
びっくりプレゼントも ありますよ!」
 めめくん「おかあさん、あの パンやさんで
かおうよ。
 おかあさん「そうね。」
めめくんと おかあさんは パンやさんに
はいっていきました。

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 めめくん「わぁ、いろんな パンが あるね。」
めめくんが なまえを しっているのは、
しょくパン、フランスパン、ブドウパン、
アンパン、クリームパン、ドーナッツ。
 めめくん「どれも おいしそうだなぁ。」
 パンやの おばさん「おすきなの おえらびください。
きっと いいことが ありますよ。」
パンやの おばさんは にこにこして いいました。
 パンやの おばさん「はい、ありがとうございました。」
めめくんと、おかあさんが パンを
かって おみせを でようと したときです。

ーさっとぬくー

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 パンやのてんいん「おめでとうございまぁーす!」
おみせの いりぐちの くすだまが
われて なかから かみふぶきが さあーっ、
パラパラパラ…、ひらひらひら…。
 パンやのてんいん「はい、おふたりは ちょうど
100にんめの おきゃくさんなので
プレゼントを さしあげまーす。
ちょっと びっくりさせたので、
びっくり プレゼントと もうしまーす。」
 おかあさん「ほんとうに びっくりしたけど、
うれしいわ。」
おかあさんは プレゼントを もらい、
めめくんは、ふうせんを もらいました。
 めめくん「もう ひとつ ちょうだい。
おねえちゃんにも あげるの。」
 パンやのてんいん「はい、どうぞ。」

ー途中までぬくー

そのころ、みみちゃんと おとうさんは、
まだ タクシーを まっていました。

ーぬくー

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 みみちゃん「あっ、きた、きた、やっと きたわ。」
 おとうさん「ずいぶん まっちゃったな。
これじゃ おかあさんたちと
いっしょに あるいた ほうが
よかったなあ。」
みみちゃん だって、さっきから そう
おもっていましたが、 なんだか そんなこと
いいたく ありません。
 みみちゃん「わたし、やっぱり タクシーが いいわ。」

ーぬきながらー

ふたりは タクシーに のりました。

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 みみちゃん「わぁ、らくちん、らくちん。
やっぱり、タクシーの ほうが いいわ。
わぁ、はやい、はやい。
あるいている ひとなんか、どんどん
ぬかして いくわ。」
みみちゃんは うれしくなって、
ぴょんぴょん はねて いいました。
 おとうさん「みみ、ちゃんと すわっていないと
だめだよ。」
おとうさんに からだを おさえられた
ちょうど そのときです。

ーぬきながらー

ききーっ。

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タクシーが きゅうに ブレーキを
かけて とまりました。
 うんてんしゅ「こらっ、あぶないじゃないか!」
 じてんしゃにのったいぬ「すみません。」
じてんしゃが もうすこしで、
ぶつかりそうに なったのです。
タクシーに のっていた みみちゃんも、
もうすこしで まえに
ぶつかる ところでした。

ーぬきながらー

タクシーは はしりだしましたが、
まもなく また とまりました。

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 みみちゃん「わぁ、すごい こうつうじゅうたいだわ。」
 おとうさん「うんてんしゅさん なにか じこでも
あったのですかね。」
 うんてんしゅ「そのようですね。」
みちには くるまが いっぱいで、
どの くるまも すこしずつしか
すすめません。
すこし すすむと、すぐに とまります。

ーぬくー

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 みみちゃん「あっ、おかあさんと めめくんだわ。
おかあさーん!めめくーん!」
みみちゃんが くるまの なかから、
よびましたが、ふたりには ぜんぜん
きこえないようです。
タクシーは なかなか すすまないのに、
おかあさんと めめくんは すいすいと
いきます。
めめくんの もっている ふうせんも
いっしょに ふわふわ すいすい。

ーぬきながらー

タクシーは ようやく じゅうたいを
ぬけて、どんどん はしりました。

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タクシーが いえの まえに ついたので、
おりました。
 おとうさん「あーあ。」
 みみちゃん「あーあ。」
みみちゃんも おとうさんも、
せのびを しながら、あくびを しました。
せっかく タクシーに のってきたのに、
なんだか くたびれて しまったのです。
でも、みみちゃんは くたびれたなんて
いわないことにしました。
だって、タクシーに のりたいと
いったのは、みみちゃんです。

ーぬくー

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まもなく おかあさんと めめくんが
かえってきました。
 めめくん「ただいまーっ。これ、おねえちゃんに
あげるよーっ。パンやさんから
もらってきたんだよーっ。」
ふうせんは めめくんと いっしょに、
ふわふわ すいすい。
 おとうさん「おかあさんが おいしそうな パンを
かってきたようだな。
おちゃを いれて ゆっくり
ごちそうに なるとするか。」
おとうさんが そう いったので、
みみちゃんは おおきな こえで
しらせました。
 みみちゃん「あのねーっ、おかあさーん、
おとうさんが おなか すいたーって。」
みみちゃんこそ おなかが
すいてきたのです。
みみちゃんたちは、もうすぐ おちゃの
じかんです。

(おわり)



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