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Photalk

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写真に対するスタンス表明
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#思い出

わたしのカメラのたのしみ方

若かりし頃は、「思い出はこの目で見て、心と記憶に焼き付けるもの」だと思っていた。だから大学で海外実習に出た時も、生まれて初めての海外旅行だというのに持って行ったのは36枚撮りの使い捨てカメラ1台きり。これで十分だと考えていた。 当時の自分にとっては、それは正しかったのだろう。初めての体験だらけの日々は刺激的で、思い出深いもので。「こんな記憶、何年経っても忘れるわけない」本気でそう考えていた。 しかし20年近く経った現在の自分は、当時の自分の肩をガクガク揺さぶって説教したい

家族写真の保存と活用、どうしてる?

出張撮影というお仕事をしていての素朴な疑問なのだが、皆さん写真を撮ってもらった後はどうしているのだろうか? データで納品された写真をパソコンやスマホで確認して、その後は…? 安い出費ではないはずなので、見た後はそのままデータとして保管しているだけ…というパターンは少ないと思うのだけれど。今日は、その辺りについて少し書いてみたい。 写真を失わないために ~プリントで保存しよう~ もし、そのままデータとして保管しているだけなのであれば。ぜひ何らかのアウトプットをおこなって、

写真は古い方が愛おしい

自分と地続きだけれども、既に遠すぎて直接触れることはできないもの達。そういった写真を眺めるのが好きだ。 父が若い頃に行った場所、自分が生まれる前の祖父の姿、記憶にない程に幼い頃の様子、若い頃に友人と旅した場所、ゼミ室の風景… 他人が見たら、なんてことない写真だろう。 でもそれはたしかに自分に続いている道で、良し悪しではなく胸を揺さぶってくる。自分に近しい気配がそこにはあって、だけれどももう決して手は届かない。既にハッキリとした手触りはなくしてしまったけれど、ぼんやりとした

撮影のお手伝いをした時の話

そういえばもう随分前になるけれど、広告撮影をするカメラマンさんのお手伝いをしたことがある。 とはいっても撮影に纏わる部分では無くて、使いっ走り的なアシスタントだ。商業施設のチラシ制作の為の撮影だったから、各店舗から商品や料理を借りて返して…をしながら横目でチラチラと撮影を見ていた。 顧客や撮影対象が違うと、撮影スタイルも全く違うもので。まず持ち込みの機材がすごい。三脚は10本くらいあるし、光源は最大5灯、ディフューザーも数種類準備してあった。その他にもレフ板やテープ、バッ

写真の持つ力を、信じている

写真でお金は頂いているけれど…正直なところ写真家やフォトグラファーと名乗るだけの高い意識は、無い方だと思う。自分にとって、仕事として撮る写真は「誰かを幸せにする為に、自分が使えるスキル」と考えているからかもしれない。 趣味で撮っている方に関しては、完全に個人的な楽しみで。言葉だけでは足りない表現しきれない、"好き"に対する意見表明みたいなものだ。自分、という人間を表す1つの方法だと認識している。言葉も写真も「今の自分にしっくりきた感覚」を突き詰めて、形にして残す為の手段

ハレの日ではなく、日常こそを

昨年夏に、母が急死して。 母の写真を撮っておかなかったことを、非常に後悔した。 後悔についての詳細は、はてなBlogに書いたのでここでは省くけれど… (参照:「母の写真」 http://photalk.hatenablog.com/entry/2017/02/01/120100 ) 撮られるのが好きではない人だったというのもあって。 ここ10年の写真なんて、結婚式や同窓会や旅先でカメラに向かってニッコリした写真しか見当たらない。 まぁそれでも。面影を偲ぶのに不足という程