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LUMIX S9を買ったら、思い出の残し方が変わった話

こどもの頃から大人になり歳を重ねて今に至るまで、バリバリの活字派だった。「映像よりも活字が好き、映像はタイパが悪過ぎてまどろっこしい…」と、ずっとそんな風に感じていて。ごくたまに映画やドラマは見るとしても、TikTokやYouTube、ニコ動などの動画文化というものにはかなり疎い人生を送っていた。 しかしこの夏にLUMIX S9を買ったことで、そんな動画への苦手意識に少し変化が現れた。 このカメラなら手軽に雰囲気のある動画が撮れて、それが即座にスマホにとばせるということを

夜の始まるとき

旅の帰り道。 せっかくの船旅なのだからと、席を立ってデッキで風景を眺めている。7月の終わりらしい暑さは感じるけれど、ジリジリと照りつけるようだった太陽は去りつつある。 船の進みにより吹き抜けていく風が、心地良い。 今にも別れを告げようという太陽に、カメラを手に取る。このシャッターを切れば、まもなく夜が始まる。

日常をvlogで残す

最近購入したLUMIX S9というカメラ、これが実に手軽に動画の撮影とスマホへの転送ができるので。この新しい遊びに、すっかり夢中になっている。 気合を入れて作品作りがしたいわけではなく、日常をちょっと良い雰囲気で残したい…くらいの気持ちなので。パソコンに取り込んでDaVinci Resolveと格闘しながらあらゆる編集作業を行うよりも、カメラのリアルタイムLUTで簡単に雰囲気を作ってスマホに取り込んでアプリで編集するくらいがちょうどいい。 これはそんな、ゆるい日常の記録。

なんでもない日

エアコンのきいた地下街からエスカレーターが進むに連れ、ジリジリと周りの空気の温度が変わっていく。 背後から聞こえてきた、こどもたちの笑い声。 側の階段を駆け上る足音がしたと思えば、ためらいもせず熱気の満ちた空間へ駆け出していく様子が視界に入る。 夏は、あの子たちのものだ。 カメラ:LUMIX S9 レンズ:NOKTON 40mm F1.2 Aspherical LUT:My Original

物撮りと、その裏側をのぞいてみる

普段は仕事で人ばかり撮っているけれど、仕事の落ち着いた時期には趣味で小物を撮ったりもしてみている。最近はある意味で物撮りに近いニューボーンフォトの撮影も増えたので、だいぶ慣れてきた感があるとはいえ…最初はまったくのゼロ知識からだったので。何をどうしたら雰囲気の良い写真が撮れるのか、さっぱりだったし。どんな小物があれば雰囲気作りに役立つのか、どこで手に入れればいいのか、何がコツなのか…もうとにかく、なんにもわからなかった。 そんな過去の自分みたいな人には、こういう記事も何かの

ひとつ先へと、踏み出すとき 〜出張撮影カメラマンのつれづれ〜

写真というのは、ジャンルの幅が広い。カメラを持っているから撮れる、これが撮れるならこれも撮れる、というものでもなく…それぞれに必要な知識も機材も、違ったりする訳で。 自分の仕事でいえば、七五三を撮れるからウェディングも撮れるというものでもなく。お宮参りが撮れるからといって、ニューボーンフォトも撮れまーす!とはならない。 必要な機材や小道具、気を配るポイントや求められるカットがそれぞれ違ってくるので。初めて仕事として依頼を受けてからの、この10年の中で。少しずつ経験を積み重

小さな非日常、秋の日はカメラ日和

仕事柄、一眼レフを持って外に出ることは多いのだけれども…大好きな人物写真を仕事という名目で好きなだけ撮れるという贅沢な環境にあるせいか、趣味で写真を撮る機会はめっきり減ってしまった。 でも、そんな自分がやたらシャッターを切ってしまう時期がある。秋の紅葉が進み、街が色づいてくる頃。普段は気にもとめない馴染みの風景が、やたら魅力的に見えてくる頃。この時期は、撮影が終わって閉じたはずのカメラキャップを気がつけば外していて。 華やかに彩られて普段よりちょっぴりグレードアップされた

小鳥とバナナで写真を撮る

「板とバナナで写真を撮る」の続きになる。 地味と紙一重なシンプル写真が何だか物足りず、逆の方向性で撮りたくなったのでセッティングを変えてみた。 ポイントにするのは、お気に入りの文鳥フィギュア。生きた鳥は怖いけれど、鳥モチーフは結構好きなのだ。それから鳥に合わせて自然を感じさせるような、ドライフラワーを周囲には配置して。異素材ミックスが好きなので、リネンタオルもそっと添えてみる。 小鳥はバナナに気を惹かれてやってきたかのように、フォークの上に配置してみたけれど。時々足を滑

板とバナナで写真を撮る

noteで見かけたライム風味のバナナ、というものを作ってみたので。先日ホームセンターでGETしてきた板を使って、撮影してみることにした。 前から物撮りの背景になる良い雰囲気の板を探していて。雰囲気だけじゃなく部屋においても邪魔にならない大きさで、持ち運びしやすい薄くて軽いのが…という条件も満たすとなると、なかなか見つけられなかったのだけれど。ついに全てを満たすものに出会ったのだ。リュックに詰め込めるサイズと軽さで、両方合わせてもお値段1000円。良い買い物をした、とウハウハ

暇も、時には役に立つ?

5月の暇がたっぷり春休み状態、満喫し過ぎて日常に戻れるのか…と不安だったけれど。この時期にハマって趣味であれこれ練習していたテーブルフォト、無駄ではなかったらしい。 (※「ハーブティーのある暮らしは、映える」・「苺を煮る、写真を撮る、家にこもる」・「カカオとウィスキーは絶対正義」など) 趣味がさっそく仕事に役立った1枚が、こちら。 ファーストバースデーの撮影で、特別に準備したという1才から食べられるケーキがあったので。「せっかくなのでケーキも撮っておきま

わたしのカメラのたのしみ方

若かりし頃は、「思い出はこの目で見て、心と記憶に焼き付けるもの」だと思っていた。だから大学で海外実習に出た時も、生まれて初めての海外旅行だというのに持って行ったのは36枚撮りの使い捨てカメラ1台きり。これで十分だと考えていた。 当時の自分にとっては、それは正しかったのだろう。初めての体験だらけの日々は刺激的で、思い出深いもので。「こんな記憶、何年経っても忘れるわけない」本気でそう考えていた。 しかし20年近く経った現在の自分は、当時の自分の肩をガクガク揺さぶって説教したい

さぁ、おうちで写真を撮ろう

出張撮影というお仕事をしていると。ご自宅での撮影をお申し込みされる際に時々、申し訳なさそうに申告されることがある。 「賃貸で狭くて…」「散らかっていて…」「官舎で殺風景で…」 おうちが写真映えしない、と皆さんおっしゃられるのだ。しかし小さい子供さんがいると、しかも複数だったりすると…それはもう物が増えるのも片付けが追いつかないのも当然だ。犬しかいない我が家でさえ、犬が来てからはあっちにこっちにとお気に入りのおもちゃを持ち運ぶせいで雑然としてしまうのだ。さらに知恵と機動力の

見慣れない景色が見たい、そんな時は

いつものことを、いつもじゃなく、やる。 それは日常という見慣れた色彩に、異なる彩りを添える行為である… 単焦点レンズ、とは 単焦点レンズというのは、カメラに詳しくない人に向けて乱暴に一言でまとめてしまえば「ズームはきかないけれど、背景がしっかりぼかせるレンズ」のことだ。大抵のカメラ趣味の人間が、写真という沼にハマり始めた頃に一度は手を出すレンズである。 ズームがきかないということは。もう少しアップにしたいとか背景を入れたいとか思ったとしても、カメラではその操作ができない。