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雀のスーの忠告
作 :ゆるらかな里
出演:白文鳥のルン
:ノーマル文鳥のラン
:雀のスー
:ヒヨドリ姉さん(友情出演)
:カラスのばあば(特別出演)
:太った猫のタマ
:家族にパパと呼ばれている世話係
「ルン、スーが下に来てるわよ。ルンが食べ散らかしたご飯を食べてくれてるのよ」
「お裾分けだよ」
「偉そうな言い方ね。私たちだってパパのお世話になってるじゃない。そんなことより、開いてるでしょ」
「ん?何が?」
「ほら、ご飯の窓」
「あっ、ほんどだ、どうしよう。出てみようか。パパ見てないし」
「大丈夫?」
「大丈夫だって。行くよ!」
「あっ、ルンとランだ。どうなってるの?」
「窓が開いてたから出てきちゃった。どうしよう」
「どうしようって、どうするの。仕方ないなあ。じゃあ、僕が庭でも案内するよ。見たことないでしょ?」
「そうなんだ、部屋の中は自由に飛べるけど、家の外では軒下で外気浴だけだからね」
「まず、あれがメインツリーのトネリコ。1年中葉っぱがついてるから、みんなの憩いの場だよ。ただ夏になると、セミが大騒ぎするから落ち着かないけど」
「おっと危ない!誰?凄い勢いで飛んでったの」
「ヒヨドリ姉さんだ。ヒヨドリ姉さんには気をつけて。動きが速いからぶつかりそうで危ないんだ。とんがったくちばしも怖いから目を合わさないでね。それから、あれがモッコウバラ。黄色くて可愛い花が咲く刺のないバラなんだ。枝や葉が密集してるから、去年ハトおばさんがあの上で子育てをしたんだけど、うまくいかなかった。屋根がないから、雨が降ったら大変だよね。ハトおばさん、天然なんだ」
「喉が乾いたわ。水が飲みたい。お家ならいつでも飲めるんだけど」
「あそこにバードバスがあるから、あそこで水を飲もう。飲んだら、裏庭へ行くよ」
「あのブルーベリーがヒヨドリ姉さんの大好物。食べ頃になると全部食べちゃうから、パパが怒ってる。そして、忘れちゃいけないのが、電線で鳴いてるカラスのばあば。時々屋根から石を転がして遊ぶんで、危ない危ない。あっ、猫が来た!あの太った猫がこの辺りのボス猫で、可愛らしくタマって呼ばれてる。笑っちゃうよね。僕たちには興味無いみたいだから助かるよ。さあ次は、屋根の上から眺めてみよう」
「もう暗くなってきたから、そろそろお家へ帰らなくっちゃ」
「僕とランはどうしよう」
「君たちは君たちの家に帰りなよ。今日は楽しかったけどそれは今日だけのこと。計画も無しで飛び出しちゃったんだから、今日はお家に帰ろう。むやみに出ちゃ駄目だよ。さあ、小屋の軒先で待っていればパパが見つけてくれるよ」
「分かった、そうするよ」
「ルン!ラン!」
「パパが迎えに来た。さよなら、また明日」
「ねえラン、少し疲れたからゆっくり休もう。お腹がすいたよ」
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