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「宿題しなさい!」は悪魔の言葉?

「宿題しなさい!」

この言葉は、定番中の定番の言葉だろう。ぼう有名アニメの中にも幾度となく出てくる。

しかし、この言葉は子どもをダメにする悪魔の言葉である。


その理由についてこれから解説していく。


課題の分離

まずは、「宿題しなさい」が悪魔の言葉であることを理解するためには、課題の分離を知らなければいけない。


「課題の分離」

「嫌われる勇気」が出版されて以来、この言葉はメジャーになりつつある。

まだ知らないという方に簡単に解説すると

課題の分離とは、アルフレッド・アドラーという心理学者が提唱した考え方であり、「自分の課題と他者の課題を明確に分け、自分の課題に介入させない、他者の課題に介入しない」というものだ。

なんだか、冷たいような印象を受けるが、決して相手はほっとけ、助け合うなというものではない。

テニスで例えるならば、客席から声援を送ることはできるが、相手に変わってコートに立ってプレーすることはできない。その逆もしかり、というものだ。

実は、この考え方は子どもを育てていく上でとても大切な考え方であると言える。

なぜなら、親や先生は、立場上子どもの課題に介入しがちだからだ。つまり、子どもがもっているラケットを奪い取り、向かってくる球を打ち返そうと頑張ってしまう例が後を立たないのだ。

その最たる例が今回のテーマである「宿題しなさい!」だ。


「宿題しなさい!」が悪魔の言葉である理由

では、今回のテーマである「宿題しなさい!」について課題の分離の考え方をもとにみていこう。

Q.宿題をやるのは誰の課題ですか?
A.子ども

つまり、「宿題しなさい!」という言葉は子どもの課題に親が介入していることに他ならない。アドラー心理学的に言うと子どもの自立を妨げるNG行動なのだ。

自分の課題に介入された子どもは、自分の課題に無責任になる、課題から逃げるようになるというのが真実だ。「やれ!」と命令されてモチベーションが上がるという人はいない。


「いやいや!とは言っても親が言わないとやらないじゃないですか!」

という声が聞こえてきそうだ。

そのことについて一緒に考えていこう。


親が言わないと宿題をやらない子への対応

子どもによっては親が言わなければやらない。その通りだと思う。

そのツッコミへのアンサーはこうだ

「やらなければいい」

「え!そんな無責任な!」とお怒りの声が聞こえてくる。

しかし、アドラー心理学的にいえば、「やらない」という判断を選んだ子どもが、その後の結末を経験することも主体的な学びなのだ。

・先生に怒られるかもしれない。
・勉強についていけなくなるかもしれない。
・成績が下がるかもしれない。
そんな結末を経験することも長い人生においては貴重な学びとなる。

もしも、その過程で「やっぱり宿題はやったほうがいいな」と少しでも主体的に取り組む姿がみられたら大いに価値づけてあげればいいのだ。

「自分を高めているね!」「勉強熱心で感心するな」

と勇気付けることに徹すればいいのだ。


「もし、そんなに悠長にまってられませんよ」という方は、その気持ちを子どもに話せばいい。

親が心配に感じているのは親の課題なのだから、「宿題をやらないとお母さんはあなたが勉強で苦労するのではないかと心配なんだよね」と素直に自分の気持ちを伝えればいい。自分の課題に向き合い遂行すればいい。

しかし、決して「宿題をやれ」と相手の課題には踏み込まないことは忘れてはならない。親の気持ちを聞いた後、やるかやらないかを決めるのは本人の課題なのだから。


親にできること

親にできることは一つしかない!

それは「子どもを応援すること」だ。

必要ならばタイマーだって学習机だって買ってあげる。
一緒に勉強したいなら付き合ってあげる。
頑張ったねと声をかけてあげる。
宿題をやりたいのになかなか取りかかれないと悩んでいるなら一緒にいい方法を考えてあげる。

あなたが「やる」と決めたのならばいつでも応援するよ、という姿勢だ。

決して、親「宿題をやれ!」子「嫌だ!」というような、自分の課題から逃げるような構図を作り出してはいけない。


ちなみに、ボクの娘は、妻に「もし、自分が夕飯までに宿題をやっていなかったら『宿題どうする?』声をかけてほしい」とお願いしている。


まとめ

「宿題しなさい!」という言葉がいかに子どもに悪影響を及ぼすか、課題の分離がなぜ大切なのかについて話してきた。

親心として、子どもの課題に介入してしまいたくなる気持ちはよくわかるし、自分自身も今だによく介入してしまい反省することがある。

「親も、子どもと一緒に成長していけばいい」

そう自分を慰めながら、今日も「宿題しなさい!」という言葉を呑みこんで子育てを楽しむ。


以上、ガクせんでした。

最後までお読みいただきありがとうございます。




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