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バロック絵画の魅力:ドラマティックな世界へ



バロック時代は、16世紀後半から18世紀初頭にかけてヨーロッパで栄えた芸術スタイルで、絵画において数々の名作を生み出しました。この時代の絵画は、劇的で感情豊か、そして強いコントラストが特徴です。バロック絵画の魅力を知ることで、当時の芸術家たちがどのようにして人々の心を動かしたのかが見えてきます。

光と影の魔術

カラヴァッジョの『聖マタイの召命』


バロック絵画を語る上で欠かせないのが、イタリアの画家カラヴァッジョの『聖マタイの召命』です。この作品では、光と影の対比が巧みに使われています。
暗い部屋の中でキリストが聖マタイに向かって手を差し伸べる瞬間が描かれています。
カラヴァッジョは、「キアロスクーロ」という技法を駆使し、光と影を大胆に使って人物を浮かび上がらせ、現実感を高めました。この技法は、バロック時代を象徴する要素の一つと言われています!

🖐🏻ここでちょっと、絵の豆知識!
「聖マタイ」ってどの人?

キリストは❶と❷のどちらを指さしていると思います?

これに、正確な答えはありません。
❶と❷のそれぞれの説があります。

❶【指を指している人が聖マタイ説】
キリストのの声がけに対して「私ですか?」という風に、自分自身を指さしているというシーンという解釈です。

❷【下を向いて作業している人が聖マタイ説】
作業をしている人を❶の人は、「彼ですか?」と彼を指さしている様にも見えます。

私の個人的な意見は、❷の人が聖マタイなのではないかと思っています。もし、❶が聖マタイだったら指の向きが自分の顔の方に向ける様にするのではないかと思いました。

しかし、一般的な長年の解釈は❶の方らしいです!

「どっちだと思う?」と解釈を擦り合わせてみるのもまた面白そうですね!

動きと感情の共演

レンブラントの『夜警』


バロック時代を代表するもう一人の巨匠が、オランダの画家レンブラントです。彼の代表作『夜警』は、民兵隊の集団肖像画で、動きと感情が溢れる構図が特徴的です。レンブラントは、単なる肖像画を超えて、人物の内面の葛藤や個性を描き出すことに優れていました。彼の作品は、観る者を絵の中に引き込み、まるでその場にいるかのような感覚を与えます。

🖐🏻ここでちょっと、この絵の豆知識!
この絵、朝、昼、夜のいつ頃だと思いますか?
(「夜警」って題名だし、背景暗いから、夜なんじゃ無いかなー?🤔)

正解は、昼です!(なんでやねーん!)

実は、「夜警」という題名は本来の題名では無いようです。本来レンブラントの付けた題名は「フランス・バニング・コック隊長の市警団」というタイトルでした。
作品全体が夜のように暗く見えるのは、ニスの劣化で黒茶へ変化してしまったようです。
(このニスの劣化のせいで、夜の景色だと思われ、「夜警」という題名がつけられたらしい…)

左手前から差し込んでいる光は太陽であり、室内にいる警護隊に外からの光が差している状態です。作中の警護隊は、出隊するために準備を進めています。「これから行くぞ!」心の内から燃え上がる生き生きとした人間らしさを感じますね!

「昼だった」ということを意識するとまた見方が変わりそうですね!

バロック絵画の力強さ:人々の心を捉え続ける理由


バロック絵画は、単なる視覚的な美しさを超えて、人間の感情や物語を強く表現することを目的としました。そのため、絵を見る者は作品に引き込まれ、深い感動を覚えます。劇的な構図と鮮やかな表現が、バロック絵画を特別なものにしています。現代においても、その力強い表現力は多くの人々を魅了し続けており、芸術の素晴らしさを再確認させてくれます。

人の感情は不変的なものですよね。なので、どんな時代の人からもバロック絵画に惹きつけられるものがあるのだと思います。
映画やドラマのように世界観に吸い込まれて感情移入出来そうな不思議な感覚になります!

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