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岩石の正体を知ろう【地質のきほん:その1】

地質学を知るには岩石に対しての理解は必須です。
でも中学生の時に岩石名を暗記しなければならなかったのを思い出し、拒否反応を起こす人もいるのではないでしょうか?
実は私もその1人でした。
友達が「カコセンハン、カコセンハン!」と念仏のように唱えてたおかげで私も花崗岩(かこうがん)、閃緑岩(せんりょくがん)、はんれい岩を覚えましたが、それが何なのかまでは理解してませんでした。
やはり丸暗記って楽しくない。意味を知ることの方が断然楽しいと思いませんか?

ということで、今回は岩石について、その意味を考えながらお話ししたいと思います!

岩石の分類

いきなり分類なんて言葉を使ってしまいましたが、ものごとを理解するために、沢山のものをそれぞれ覚えるって難しいですよね。
だから似た者同士をひとくくりで考えるって大切なんですよ。
例えば動物でも「ネコ科」とか「イヌ科」などと言いますよね。みなさん感覚的に、姿を見れば「あの動物、名前は知らないけどネコの仲間なんだろうな。という事は肉食だな~。」と考えますよね。
岩石も同じように似た者同士をひとくくりに考えると分かりやすくなると思います。

岩石はおおまかに考えると3グループに分けられます。
そう、たったの3種類です。
もちろん専門的に細かく考えればそれだけではないですが、地質学を楽しむなら、最低限この3グループを知っておけば十分です。

さて、その3グループは何かといいますと

・堆積岩(たいせきがん)
・火成岩(かせいがん)
・変成岩(へんせいがん)

です。では、それぞれどんなものか深掘りしていきましょう~

堆積岩って?

超ざっくりと説明すると、泥や砂や石ころが溜まって地層になって、長い年月の間に固まって岩石になったものです。
何かが溜まって固まったものが堆積岩です。
その「何か」によって名前がつきます。
泥が固まったものは泥岩(でいがん)、砂が固まれば砂岩(さがん)、火山灰が固まれば凝灰岩(ぎょうかいがん)といった具合です。

泥が溜まるところは湖とか沼、陸地から遠い深海です。
泥岩を割ってみると、たまに葉っぱの化石が出たりします。深海にまで葉っぱは流れて行かないので、「昔ここは湖か沼だったんだな」と考えることができます。

トップの画像は以前紹介した仙台市のサイカチ沼で見つけた凝灰岩です。昔、ここに火山灰が降ってきたんですね。

地質が分かれば、昔はどんな場所だったのか?何が起こったのか?が分かります。楽しいと思いませんか?

火成岩って?

ズバリ、マグマが冷えて固まって岩石になったものです。つまりそこは昔は火山だったと分かります。
ちなみにマグマは火山によって成分が違ったりします。
水晶の成分である二酸化ケイ素(にさんかけいそ)が多いと、ドロドロで流れにくいので中にガスがたまって大爆発しやすくなります。冷えて固まると白っぽい岩石になります。
逆に水晶の成分が少ないと、サラサラと流れやすいマグマで、ハワイのキラウエア火山はそういうマグマです。爆発しにくいので近寄って行く専門家もいたりします(良いコはマネしないで!!)。冷えて固まると黒っぽい岩石になります。

さらに細かく分けると、地上で急速に冷えたかどうか?地下でゆっくり冷えたかどうか?で分類されます。
地上で冷えた:火山岩(かざんがん)
地下で冷えた:深成岩(しんせいがん)

ザックリと表にするとこんな感じです。
縦に並んでる岩石は、見た目は違いますが成分は同じ。急に冷えたかゆっくり冷えたかの違いです。ゆっくり冷える方が鉱物の結晶が大きくなります。

火成岩表

火成岩はだいたい、どれも硬いです。だから墓石だったりビルの建材に使われたりしています。
ちなみに石器時代に人類が刃物として使っていた黒曜石は、上の表の流紋岩(りゅうもんがん)の仲間です。

変成岩って?

変成岩は、もともとは堆積岩や火成岩だったものが、マグマに焼かれたり、地下の深い場所で圧力でギュウギュウにされて別の岩石に変わってしまったものです。

例えば昔のサンゴが固まって石灰岩(せっかいがん)という岩石になるんですが、それがマグマで焼かれると大理石(だいりせき)になります。
大理石は硬くて白くてキラキラして綺麗なので、ちょっと高級な建物に使われたりしてます。

岩石の中の鉱物は細長かったりペラペラだったり色々なカタチがあるんですが、地下深くでギュウギュウ押されると、押されてる方向に綺麗に並んでしまいます。そうすると、まるで紙を重ねたような感じになります。

緑色片岩_中央構造線博物館

結晶片岩(中央構造線博物館ホームページより

こんな感じで、ペラペラが重なったような感じです。縞模様が綺麗なので庭石に使われたりしています。

以上、岩石をザックリ解説するとこんな感じです。少しでも興味を持って頂けると嬉しいです。

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