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日本陶磁器の聖地「伊万里」と「有田」を歩く 国内旅行記・佐賀編Vol.6

こんにちは。日本の色々なスポットを巡りながら、その土地の魅力と感じたことを書き綴っています。

今回は日本三大陶器のひとつ「有田焼(伊万里焼)」で有名な、伊万里と有田を巡ります。


佐賀県ひとり旅3日目。早朝、まずは唐津から伊万里に向かいます。

バイバイ唐津、またいつか必ず。

伊万里スピード散策

電車に揺られること約1時間、伊万里に無事到着して散策開始! 伊万里の滞在時間は約1時間強。あまり遠くには行けないので、町中のスポットを急いで巡ります。

伊万里駅
古伊万里美人像
相生橋
幸橋の夫婦鶏
伊万里神社

伊万里神社には、お菓子の神様である田道間守命が祀られているそうです。散策していた時はそんな面白い謂れがあるなんて知らずにスルー、もったいない。

カブトガニ

伊万里は生きた化石「カブトガニ」の国内最大生息・繁殖地だそう。少し歩くと繁殖地があるみたいなんですが、時間がないので割愛。これは本当に見たかった。

さて、近場のスポットをザっと駅へと帰還。駅前ロータリーの車止めには、柄の違うタイルが貼りつけられています。かわいい。

ちょっとした遊び心が素敵

次は伊万里から松浦鉄道西九州線に乗って有田を目指します。が、朝から何も食べていなかったので、おにぎりをこちらのお店で購入。

ひまわり

駅内のピアノを上手に奏でるおばあ様の演奏を聞きつつ、景色を見ながらのんびり食べます。

昆布とかしわ

穏やかで優しい時間が流れていて心がほぐれていく。都心では味わえない空気をたくさん吸ったあと、伊万里をあとにします。

有田~上有田

電車に乗ること20分ほど、有田駅に到着。

外観は手入れ中

いざ散策! といきたいところですが、もともと計画していない&連日の20Km以上の徒歩散策の疲れによって、なかなか思考がまとまらないし体が動かない。けど、なんとか無理やり体を動かして歩いていきます。

目指すは隣駅の上有田。とりあえずこの趣ありそうな道を進みましょう。

日差しは少ないけれど、とにかく蒸し暑かったこの日。長く続く緩やかな上り坂と湿度に体力が奪われていく。

20分ほど歩くと町並みが徐々に変化。多くは焼物を販売しているお店で、歴史を感じる老舗やスタイリッシュでお洒落な店舗も見受けられました。有田駅周辺より上有田周辺の方がお店は多いのかな?

タイルがかわいいトイレ

先ほどの大通りからひとつ奥に入ると、雰囲気のよい小道があります。

黄土色の塀は「トンバイ塀」といい、陶器を焼く釜に使われているレンガ=トンバイを利用しているものです。廃棄物を上手に有効活用していますね。

さらにしばらく歩いて、泉山弁財天神社境内にある大公孫樹(イチョウ)の巨木に到着。

全景が入らないほどデカい

高さ30m、幹の周囲は12m、樹齢はなんと1,000年以上! 今から1,000年前は平安時代あたりですから、この地域の変遷をずっと見守ってきたのでしょうね。ロマンある。

いよいよ有田の最終目的地へ。

日本陶磁器の聖地「有田」

岐阜の美濃焼、愛知の瀬戸焼に並び、日本三大焼物のひとつに数えられる有田(伊万里)焼。透き通るように白い磁肌と、鮮やかな配色、硬く丈夫な点が特徴です。1889年パリ万博ジャポニズム以降、ヨーロッパの貴族階級から「白い黄金」として愛されていた歴史があります。

有田焼の誕生は今から400年ほど前。朝鮮で窯業に従事していた、李参平によって生み出されました。当時、日本の窯業といえば陶器が中心でしたが、自国で培った技術を活かし、日本で初めての磁器・有田焼を完成させたとのことです。

泉山磁石場
李参平が、理想の陶土を求めてたどり着いたのが有田の泉山。ここ泉山磁石場は、磁器の製造に必要な陶土の採石場跡。先が見えない横穴、切り開かれた山や岩壁からみるに、ここからとんでもない量の磁器鉱が発掘されたのが分かります。

陶磁器はほとんど興味はなかったですが、こういった史跡や歴史に触れると少し欲しくなったりしますよね。

壮大なスケールとロマンを胸に刻んだところで、駅へ。

散策から約2時間、上有田駅に到着。猛烈に腰が痛え……。

ここ上有田駅は、島田洋七の著作『佐賀のがばいばあちゃん』のテレビドラマ版の撮影場所として使われていたそう。この趣ある駅舎の隣には、管理人さん?が営んでいるカフェもあります。店内から微かに聞こえるラジオがエモい。

この駅から乗車券は駅前の「原田酒店」から購入するシステム。駅舎の中には切符券売機も、職員の人もいません。駅以外の場所で切符を買うのは初めての体験です。店主さんはいつ休んでいるのでしょうかね(笑)

ぼーっと外を眺めている内に電車が到着。次の目的地に向けて電車に乗り込みます。バイバイ有田、今度は涼しい時期に来ます。

いかがでしたか? 今回は伊万里と有田の各スポットを巡った記録を紹介しました。ちなみに陶磁器の写真がほとんどないのは、お店に入って撮る元気がなかったからです(笑)。

それにしても、のどかでゆったりとした時間が流れている町でした。心の元気が足りない時に行くといいかもしれません。

今回はここまで。次回は佐賀編最終回、激熱温泉と古代王国の遺跡を最後の力を振り絞って巡ります。

では、また!

Tsuchinoco



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