コロナ下、動き出す消費、給付金で家電・自転車、在宅勤務でスーツや化粧品は低調。


【給付金を受け、国内消費が動き出した】
 新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだ国内消費が動き出した。1人10万円の特別定額給付金の支給が8割を超え、高額家電や自転車などの消費に回っている。政府の需要刺激策が早く行き渡り、先に消費が底入れした米国や中国では息切れの気配も出ている。感染者増や雇用の影響などを踏まえた消費回復の持続力には課題もある。
 
【家電を買い求める家族の姿が目立つ】
 週末のケーズデンキ水戸本店(水戸市)では、高額家電を買い求める家族客の姿が目立った。20万円前後の製品もあるドラム式洗濯機の販売量は2倍以上となり、同店の売上高は前年同月の週末に比べ4割増となった。
 小売業では6月に入り売上高が急回復する企業が増えている。
 自転車販売のあさひの6月の既存店売上高は前年同月比41%増と、5月の同9%減からV字回復した。10万円の給付金で「消費者に多少購買の余裕ができ、機能性が高い自転車を買う人が増えた」(同社)ことで、価格が一般自転車の3~4倍する電動アシスト自転車が好調だった。
 内閣府の消費動向調査では、消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上の世帯、季節調整値)が4月に過去最低の21・6となった。それが6月は28・4まで持ち直してきた。多くの人に給付金が振り込まれたことや、「外出の自粛期間中に買い控えた反動で、4Kテレビなど高付加価値の耐久消費財が売れている」(日本総合研究所の村瀬拓人氏)。
 自動車販売も底入れの兆しがみられる。6月の国内新車販売台数(軽自動車含む)は前年同月比23%減と、5月の同4割超減から改善した。「春の買い控えの反動増と、通勤時の密を避けるためにマイカー通勤が増えている」

【一方、化粧品、スーツなど外に出ないことで需要が減った】
 一方で在宅勤務の定着で、スーツ需要には回復の兆しがみられない。紳士服の青山商事やコナカの6月の売上高は依然として前年同月比3~4割の減少が続いている。米国では老舗紳士服店のブルックス・ブラザーズが経営破綻した。
 化粧品も同様だ。経済産業省がビッグデータを利用して計算するPOS(販売時点情報管理)小売販売額指標によると、全国のドラッグストアにおける6月の化粧品全体の販売額は前年同月比で9%減った。特に口紅などのメーキャップ化粧品の落ち込みが大きく、22%減少した。マスク着用によりメークを控えめにする人が増えている。
 消費底入れは、米国や中国で先行した。5月の米小売売上高は前月比17・7%増と過去最大の上げ幅となった。米自動車販売は4月の前年同月比47%減を底に、6月は同26%減まで戻した。「外出制限によって移動に不可欠な自動車の重要性が改めて意識された」(米国ホンダ幹部)とみられ、「想定を上回るペースで需要が戻っている」(米フォード・モーター)という。
 中国では各地の地方政府がネット企業などと組んで商品券を発行したこともあり、5月のネット通販売上高は前年同月比で22%増となった。
 しかし米国では息切れ感も出てきている。全米の主要小売業約9000店舗の販売動向を調べる「ジョンソン・レッドブック」の集計では、6月最終週の売上高が前年比5・7%減まで改善したのに対し、7月第1週は同6・9%減と再び悪化幅が広がった。

【小売は感染者が増加している間は客数減が続く予想】
 コロナ危機下でも比較的堅調だった量販店やホームセンターは6月下旬に客数が減少した。店舗営業が止まった3~4月の買い控えの反動需要が6月半ばまでに一巡し、回復ペースが鈍った可能性がある。「消費者の70%がコロナ感染を懸念しており、感染者数が増加している間は小売業の客数減が続く」(米モルガン・スタンレーのキンバリー・グリーンバーガー氏)との指摘もある。

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