スマホやPCを使う人が増えた今。ネット広告が熱い!


【ネット広告、コロナ危機で勢い増す。】
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出制限の間、家にこもっていた人々は、窓を通してしか外の世界を見ることができなかった。広告主にとっては、パソコンのディスプレーが窓の役割を果たしただろう。インターネットの通信量は、急速に拡大しているという。 広告代理店の世界大手である英WPP傘下のグループMによると、2020年はデジタルマーケティングが伝統的な広告支出を上回り、5300億ドル(約57兆円)規模とみる世界市場の半分以上を占めるようになるという。コロナ危機により、勢いに拍車がかかる。 広告主の大半は、予算の配分で厳しい選択を迫られた。金融情報会社リフィニティブの業績予想によると、世界の企業の4~6月期の1株当たり利益は約20%減少するという。

【一方で、航空会社、旅行産業は大幅な減益】
航空会社など旅行・レジャー産業の一部の業種は、より大幅な減益となっている。 企業の業績が圧迫されるなか、ネット広告の需要が高まり、長期的に有効なブランド構築キャンペーンへの関心は低下している。米ネット広告業界団体インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー(IAB)の調べでは、デジタルを除く広告支出は4~6月期、前年同期比約39%の減少が予想されるという。 米IT(情報技術)大手のフェイスブックは1~3月期、収益の柱であるネット広告が苦戦したというが、全体の売上高は前年同期比で2桁増となった。グーグルの持ち株会社、アルファベットも2桁増を確保した。一方、WPPのような伝統的な広告代理店の株価は、ネット広告のITコンサルティング会社よりも概して評価が低いようだ。 とはいえ、伝統的な広告が終わりというわけではない。デューク大学経営大学院によると、米国の最高マーケティング責任者(CMO)は20年、テレビや新聞といった媒体へのマーケティング支出を平均12・6%増やす予定だ。ここ数年の増加率は約11%だったという。 広告を利用し、消費者の企業に対する見方に影響を及ぼすことは依然として重要だ。特にコロナ危機の間は、従業員らへの姿勢も問われることになる。伝統的な広告との争いでは、将来的にネット広告が勝利するだろう。ただ伝統的な広告も、しばらくの間は持ちこたえそうだ。

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