トヨタ、部品会社に値下げ要請、業績悪化や材料価格下落。


【トヨタ 新型コロナの業績悪化で、コスト削減へ踏み込む】
 トヨタ自動車が一部の部品メーカーに、部品価格の引き下げを求めていることが分かった。年に2回(4月、10月)価格の見直しをしているが、途中の値下げ要請は異例。新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化や原材料の値下げで、一段のコスト削減に踏み込む。トヨタは2次下請けまででも約4万社と取引があり、幅広い製造業の収益に影響が出る可能性がある。

【エンジンや足回りの部品価格を値下げ要請】
 トヨタが値下げ要請をエンジンなどの部品メーカーに文書などで伝えた。トヨタはエンジンや足回りの部品などに使う一部の特殊鋼の価格が、2019年度下期(19年10月~20年3月)と比べて1トン当たり7千円程度下がっていると判断。該当する特殊鋼を使った部品の値下げを要請した。
 新型コロナで新車需要は低迷しており、部品の調達価格を見直してコストを削減する。コロナ禍で部品メーカーの収益も悪化しており、トヨタの要請をどこまで受け入れるかは不透明だ。
 トヨタも部品各社の経営悪化で供給網が寸断することを警戒しており、同じ部品でも一律の購入価格を定めず、個別企業との交渉で決める方針を打ち出している。
 トヨタの今年度の世界販売台数は前年度比15%減の890万台となり、連結営業利益も8割減を見込む。米中では販売も持ち直しつつあるが、感染の収束が見えず、正常化にはまだ時間がかかる状況だ。

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