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「くだらないこと」がなければ生きていけない

人は、睡眠と食事さえとれば、残りの時間ははたらきつづけられるのかというと、そうでもない。寝て、食うだけじゃなく、レジャーというものがなければなりたたない。つまり、寝ておきてご飯を食べて働いて、またご飯を食べて働いて、またご飯を食べてお風呂に入って寝ておきて、とやっていると壊れてしまう。

ぼく自身は、日中いそがしくはたらいて、そして「明日も朝から仕事があるのでもう寝なければならない」とアタマではわかっていても、どうしても電気を消すことができないときが多い。なにかをしなければ気が済まない・・このまま寝て明日の朝が来たら、がんばれなくなりそうな気がして、電気を消すことができない。

といってもたいしたことをするわけじゃなくて、お酒をのみながらくだらないホラー映画を観たり、なんども読んだ娯楽小説を読み返したり、好きな音楽を聴いたりするだけだ。くだらないことなのだが、それだけで「さあ寝よう」と思える。とくに、日中「意義のあるコトをした」と思えるときほど、寝る前にくだらないことをやりたくなる。

翌朝は、サッサと寝ておけばよかった後悔し、今晩はサッサと寝ようとおもうんだけど、夜が来ると、ちょっとなにかしなければ寝られないようなきぶんになってしまうので、もうこれは仕方がないとあきらめている。

「このままではよくない」というあの感じはどこから来るのだろう。たいしたことをするわけじゃないし、むしろたいしたことをしてはいけないのである。ためになる本を読んだりしてはいけない。映画も、最初から最後までキッチリ観たりしてはいけない。そんなのは「昼間のレジャー」という名の労働だ。

ぼくの場合は、低予算のホラー映画を30分だけ見たりするんだけど、人によってはパチンコかもしれないし、YouTube動画かもしれないが、もしかすると、世の中には、そういうものがなくても済む人もいるのかもしれないなあ。そういう人のことを世間では「はたらきもの」と呼び、ぼくのようなヤツのことを「なまけもの」と言うのだろうか。

このnoteにもりっぱなことだけを書いた日は疲れるし、くだらないことを書いた日はすっきりする。というわけで、エー、 ホラー映画にも予算というものがありまして、エー、 たとえば、ジェイソンに90分で14人殺される場合ですね、ぜんぶの殺害シーンに同じだけお金をかけることはできないわけです。この殺しはおそろしいほどショボいなあとか・・この殺しはけっこうお金かかってるなあとか、とペース配分をみていくとなかなか味わい深いのであります。

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