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ステキな本屋さん

2年前ほどまでうちの近所には5件の書店があった。駅ビルの中に1件。駅の向こう側にもう1件。西武デパート内に1件。近所のイオンに1件。そして郊外のモールにも蔦屋書店があった。

しかし、ぼくがもっともひいきにしていたのは池袋ジュンク堂であり、これら5件は近場で済ませたいときのためのリザーブでしかなかった。さらにアマゾンもあり、キンドルもある。というわけで、これらに対してはじつにザツな扱いをしていた。しかしこの5件がこの2年でことごとく消滅してしまったのである。

いざ1つもなくなると不自由極まりない。この感じわかっていただけるだろうか。アマゾンがあっても、いざ紙の本を手に取れなくなってしまうと、じつになんというか不自由なのである。創刊号から買っている隔月刊のマンガ雑誌すらアマゾンで注文するしかなくなったときの味気なさはなんともいえなかった。現在、世界を騒がせている病気のことも考えると、池袋のジュンク堂へもそうそう気楽に足を向けられない。

ところが、さいきん駅ビル内に新しい書店がオープンしたのであった。しかし、妻に聞いてみると、「マイナーなマンガ雑誌などおいてないんじゃないか」というハナシなのでてっきりキオスクに毛が生えた程度の店を想像していたんだけど、昨日行ってみるとこれがすばらしーのである。

まず雑誌コーナーに月刊『へら鮒』というマイナー雑誌がさりげなく置いてあることにおどろく。この時点で、この店タダモノではない(関東では、オヤジの趣味として公園将棋と同様に普及しているヘラブナ釣りだが、西日本の方ではほとんど普及していない)。アマゾンの釣り雑誌売上ランキングでは15位。月刊『ヘラ専科』よりは売れているが、月刊『つり人』よりは下だ。ちなみにぼくは釣りはしないけど、釣りを見物するのはスキです。

さらに長谷川宏訳のヘーゲル『精神現象学』や、20代に愛読していたフーコーの『言葉と物』などがさりげなく置いてあった時点で、末永いつきあいになりそうだと確信した。

あらためて店名を確認してみると「TSUTAYA」。なるほどね!月刊『へら鮒』は、じつにツタヤらしい。ややななめ方向へむけてカルチャー的にイキっている。ただし、ツタヤは出だしが良くても続かないことがある。月刊『へら鮒』までおかなくていいから末永く続けてほしい。とにかく助かったよ。感謝です!これからは書店を大事にしよう。やはり紙の本が店員さんの手でていねいに陳列されている書店にはなんとも言えない魅力があることを再発見した。月1回はなにか買いに行こうと固く決心した。何か買うたびにツイッターに投稿します!

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