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「気配」の話は通じる人と通じない人がいる
「気配」の話をすると、かんたんにわかってくれる人もいるけど、まったくわかってくれない人もいる。
これまで女性と気配の話をして理解されなかったことはないが、男性と話していると、その何割かにはまったくつうじない。
このnoteをどっちの人が読んでいるのかわからないので、どっちに向けて書けばいいのか迷うが、とりあえず「???」となっている人に向けて書いてみよう。
よく時代マンガや時代小説で、「殺気を感じた」とか「気配を殺す」などといういい方があるでしょう。気配とはああいったもののことなんだけど、忍者や江戸時代にかぎった話ではなくて、ぼくらの日常にあふれているのである。
たとえば、だれもいないはずの背後にふと「気配を感じる」ことがある。または「首筋の後ろに視線を感じる」こともある。こうしたことは日々発生しており、とりたてて超常現象というほどのことでもない。
野良猫が近づいてきたのかもしれないし、だれかにそっと覗き見されているのかもしれない。ふりかえるとだれかの視線とぶつかるというようなことは、よくあることだ。
「気配」は目に見えるものではないが、あえて言うなら、空気の微細なゆれが肌に伝わってきているのかもしれない。ただし、それだけだとも言い切れない。
逆に、自分の気配を人に感づかれることもあって、ぼくはこの手の気配を消すのが苦手なので、他人の背中を見ていて振り向かれることはしょっちゅうだ。
ぱっと振り返ることもあるし、逃げられることもあるし、いちどやりすごしてから逆に観察される場合もあるけど、そういう反応を返してくる人の99.9%は、女性である。
これは自意識過剰ではない。長いことかけていろいろと実験し、ある程度の再現性も得ている。
以前、人ごみの中で、だれかの背中を凝視するということを繰り返してみたことがあるが、女性で気づかなかった人はいなかったけど、男性の場合、とりわけ会社員や年配の人の何割かは、どれだけ凝視してもまるで反応が返ってこなかった。
それで思い出すのは、もう何十年も前のことで、なんかのタイミングで後輩君に
ほら、だれかの視線に背中で気づくことがあるじゃない?
と話を振ったところ、かれは
ええ、なにかに反射して見えているんでしょうね
と返してきた。調子を合わせてくれたのだろうが、「気配というものをまるで理解していないのだ」と気づいたので、以来そういう男性もいるということをアタマの隅に置いて話すようにしている。
ただし、鈍感なのがわるいともいえず、そういう人たちといるほうがリラックスできることも多い。気配に敏感な人にはヘンな風にごかいされることもあるので気づくのがいいとか悪いとか決めつけられないんだけど、ひとつだけいえることがある。
気配に敏感な人は、そもそも目に見えないものを前提に生きてきているので、不思議な話を理解してくれる。
一方で、気配というものにまるで気づいていないタイプの人に不思議な話をすると、アタマから拒絶されることがある。
そのうえで、男女差がある。女性の多くはもともと「気配」を理解しているので、普通の女性ならたいてい理解してくれる。普通の女性というのは、そっち系にのめりこんでいない人ということであり、そのくらいのほうがバランスがいいのだ。
心霊とかスピ系とかにのめりこんでいる女性はこころのバランスを崩していることがままあり、うっかりかかわると「こんど地震が来る」「この方角に行ってはだめ」「ワクチンは絶対に打つな」「皇室は全員ゴム人間だ」みたいなことをわーっと言いだしたり、へんな健康食品セミナーの勧誘を受けたりするので、要注意だ。
男性のばあいは事情が逆で、「普通の人」にうっかり不思議系の話をすると
こいつアタマおかしいな
とおもわれてしまうので、むしろ「UFOとか心霊現象とか興味あります!」と自分から言っているくらいの人のほうがいろいろと話が弾む。
以上をまとめると、女性と不思議な話をする場合はノーマルな人が快適だけど、男性のばあいは、前のめりなタイプがちょうどいい、ということです。
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