だれにでも伝わることば

以前「バカッター」と呼ばれる出来事があった。

あれほどの騒ぎになったのは、内輪でおもしろがっていたつもりの投稿が全国に拡散されてしまったからだろう。

ネットの世界ではだれが見ているか分からない。だから、自分の言動が内輪以外の人にどう見えるかを意識しておくことはだいじだ。

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もちろん他人を意識しないでSNSを使う人もいる。リアルでは言えないことを匿名で吐きだす人たち。

かれらは、井戸の底に向かって「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶようにSNSを使う。

ただし、SNSでは一言発すると数百人から数千人の目に触れるのがふつうなので、井戸の底というよりは渋谷ハチ公前で拡声器をつかってしゃべっているのにちかい。

バカッターは、ハチ公前を井戸の底と勘違いしたために起こった。

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このnoteもTwitterも、ぼくは自分以外のだれかの目に触れることを想定して書いている。

そのだれかは、バリバリの唯物論者かもしれないし、エホバの証人の信者かもしれない。

しかし、どっちもにんげんである。にんげんにとって大事な事柄ならば、どちらにも伝わるコトバを使って表現できるはずだ。

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一番大事なことはハナシの入り口で耳をふさがれないようにすること。

たとえばスピリチュアル好きの人が、SNSでいきなり「チャクラ」と言い出したら、多くの読み手はその時点で心を閉ざす。

「オウムの残党かよ」と思われて終わりだ。その後でいくらイイことを書いてもまともに読んではもらえない。もったいないことだ。

ちなみに雑誌『ムー』の発行部数は、オウム真理教が伸びていたころが全盛期で、10万部と聞いた(今は5万部)。

1億2000万人中の10万人だから、購読者は約千人に1人。これが、いきなりチャクラと言われても引かない人の最大値である。

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以上は、他人にああしろこうしろということではない。

ぼく自身が、なるべくそういうところに踏み込まないように注意しているということです。

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