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三部作はめいわく?

4月に映画監督の大林宣彦さんが亡くなった。
大林監督の代表作といえば、広島県尾道市を舞台にした「尾道三部作」ということになっている。

・『転校生』
・『時をかける少女』
・『さびしんぼう』

の三作品。しかし、監督自身は三部作にするつもりはなかったはずだ。なぜなら、つづけて『ふたり』という作品も尾道で撮っているから。

けれども「尾道四部作」とは呼ばれなかった。長いあいだ「尾道三部作」+1みたいなヘンな扱いだった。とはいえ、『ふたり』はかなりの力作で、どちらかというと三部作よりも堂々たる長編である。

それから十年ほどたち、大林監督はふたたび尾道でいくつか作品を撮った。『ふたり』は、それらと合わせて『新・尾道三部作』と呼ばれるようになったが、ファンが勝手にそう呼んでいるだけで、ムリヤリ感がある。

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三部作のぬれぎぬはさまざまな監督に降りかかっている。たとえば、ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ 三部作」やイングマール・ベルイマン監督の「神の沈黙 三部作」など。

どちらも監督は三部作にしようとしていない。ロメロ監督はその後もドンドンゾンビ映画を撮っていったので、むりやり「新・三部作」などと呼ばれるようになった。

三部作といういい方は古代ギリシャからあったそうだが、たいていは、ファンが勝手に呼ぶだけである。

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でも、狙って三部作を撮ろうとした監督がいる。ギリシャのテオ・アンゲロプロスという人で、最初は1本の作品にしようとしていたらしいが、長すぎるので3つにわけた。

そして3本目を撮っている最中に交通事故で無くなってしまった。

キリスト教圏で3という数字はかなりびみょ~な数だ。三位一体。ゴルゴダの丘など。三部作というのは狙ってはいけないのかなあ・・・といいつつスターウォーズも基本は三部作だし関係ないよなあ。

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