リピート体質
昨晩、山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』を見た。
ちなみに、これで3度目だ。
当初は『東京家族』を見ようかな~、と思っていた。
一度も見たことがないが、なかなかいい作品だと聞く。
でも、結局『たそがれ』を観てしまった。。。
観たくて観たのだから、後悔はしていない。
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ぼくはこういうことがよくある。
まだ観ていないイイ作品がたくさんあるのに、同じ作品をリピートしてしまう。
フランシス・フォード・コッポラの『カンバセーション…盗聴…』という映画は、じつは30回以上観ている。
3回でやめておけば、他の作品を27本観ることができたはずだ。
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『たそがれ清兵衛』には、清兵衛のむすめが"論語の素読(そどく)"をするシーンがある。
そどくというのは、暗唱(あんしょう)である。
そどくするには、くりかえし論語を読んで丸暗記しなければならない。
ぼくも『カンバセーション…盗聴…』を繰り返し観て、カメラの動きやセリフはだいたい覚えてしまったので、これも一種のそどくと言えなくもない。
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江戸時代は、学問と言えばそどくだったそうだ。
いまとは正反対である。
いまの時代、丸暗記は悪で、自分のアタマで考えることがイイとされる。
でも清兵衛は、むすめから「学問はなんのためにするの?」と聞かれて「自分のアタマでものを考えられるようになるためだ」と答える。
つまり、丸暗記が、自分のアタマで考えるために役立つということである。
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論語のような古典をカラダにしみこませておけば、自分のアタマで考えるための土台ができるということだろう。
『カンバセーション…盗聴…』は高校生のころレンタルして、その日のうちに1回観た。翌朝、もう1回観てから返しに行ったけど、すぐに2度目を借りた。
一泊二日で2度観た映画は、これだけだ。
論語のような古典ではないけど、ぼくが自分の目で映画をみるための土台になっているのはまちがいない。
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