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日本を確実に元気にする方法

世の中には自然にまかせていると増えていくものと減っていくものがある。

地球規模でいうと、増えていくものが炭酸ガスで、減っていくものは天然資源である。

ひとりひとりの人間でいえば、ふえていくものは年齢で、減っていくのは余命だ。年齢とともに増えていくものと減っていくものもあって、たとえば減っていくものは肌の張りであり、増えていくるのはしわである。減っていくものは筋肉であり、増えていくのは脂肪だ。減っていくのは記憶力であり、増えていくのは経験である。

ところで、筋肉が減っていくと悲惨なので、はやめにケアすることをおすすめします。

さて、放っておくとたまっていくのは脂肪と炭酸ガスだけではなくて、社会には「不満」というのも放っておくと溜まっていく。

もちろん、1億2000万人全員が寝ているだけで東大に入れて、全員がサマージャンボ宝くじの一等に当選できれば社会に不満はたまらないけど、それはムリなので、地球に炭酸ガスがたまるように社会には不満がたまる。

最近は、長引く不況に、高齢化に、コロナに、インフレにと、うまくいかないことが増えているので不満はたまっていく一方だ。

今の世相を、大正末期から昭和初期に似ていると指摘する人がいるがぼくもうなづけるところがある。あのころ、にっちもさっちもいかなくなった日本が、どうすれば戦争へ突き進まなくて済んだのか。歴史をふりかえりつつ考えてみると、必要なことは上手なガス抜きだったと思えてくる。

おなじく、いまやるべきことは、経済を成長軌道に載せるとか、平等な世の中を実現するとかいうきれいごとではない。見せかけはそういうものでもいいんだけど、要するにそういう見せかけで大きな花火をぶち上げることがだいじなのだ。

いま、日本のガス抜きを担当しているのは誹謗中傷やスキャンダルだけど、いずれ統一教会くらいではガス抜きにならなくなるだろう。自殺者ももっと増えていくし、要人暗殺も起こるだろう。

ワールドカップやオリンピックくらいではガス抜きにならない。大正末期には普通選挙法が制定されたけど、ああいうガス抜きが求められる。

普通選挙法は「国民の権利が認められた」といううわべの意味よりも、戦後恐慌の不満のガスを抜くという意義が大きかったはずだ。まあ、それだけでは足りなかったので軍部が暴走することになったのだろうけど、ああいうわかりやすい「劇場型のガス抜き」が必要だと思う。

いまなら、憲法改正とか、核武装論とか、ベーシックインカムとか、MMT(現代貨幣理論)などがそれにあたる。

実現できるかどうかはどうでもいいし、正しいかまちがっているかも二の次だ。だいじなのはみんなが本気になれるということであり、そういう劇場型のガス抜きを確信犯的に提供できるリーダーシップが必要だ。

普通選挙法だって治安維持法とセットだったのだから、核武装とベーシックインカムをセットで議論するのもいい。

政府が本気でベーシックインカムの検討を始めれば、年金を当てにしている人たちはみな血相を変えるので、火曜サスペンスどころではなくなる。しかもリモートで騒げるので、これからの時代に向いている。

とにかく、必要なのは、わかりやすくて大きく騒げる話題なのだ。それが実現したらあたかも日本が大きく変わりそうななにか。保守が希望を予感したり、リベラルが暗黒を予感するような、そういうデカい話題をぶち上げて、みんなを必死にさせること。

最終的にどう転んでも、ガスが抜ければ結果はオーライである。

本当のガスがたまって手に負えなくなる前に、先回りでこういう運動会を用意することが、政治家の役割ではないのか。もちろん、ぶち上げる本人は暗殺される覚悟が必要だけど。

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