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新人デザイナーさんのための Web制作における写真レタッチ

スタメンのデザイナーの@kiyoshifuwaです。

先日、スタメンの新人デザイナーさんへ レタッチについての勉強会を開催しました。以前は、レタッチに対して下記のような印象を持っていたようです。

😕なぜやるのかわからない
😕何がゴールなのかわからない
😕明らかなゴミは消すけど、それから何をしたらいいかわからない
😕肌を綺麗にする技術などは探せば見つかるけど、そもそも全体をどうしたらいいのかわからない

同じように思っている他の新人デザイナーさんにも役立つと思い、勉強会で話した内容をまとめました。

本記事ではレタッチの具体的な技術や手法ではなく、
・なんのためにレタッチするのか
・ゴールの決め方
・手順
について紹介します。

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なんのためにレタッチするのか?

レタッチをする目的は、”本来見せたいものをちゃんと見てもらうため"だと、私は解釈しています。

ゴミを消すのも、色を綺麗にするのも、世界観を作り込むのも全て見せたいものを見てもらうために行います。

レタッチが行われていないと、こんなことが起こります。

👿モデルが持っている商品を見て欲しいが、モデルの顔にぽつんと吹き出物ができているのでそちらに目が行く
👿おいしい野菜のPR写真だが、野菜についた小さな傷や変色が気になり、美味しくなさそうに見える
👿美しいリゾート地のPR写真だが、空が曇っており海も綺麗に映らず、本来の魅力が伝わらない

本来見せたいものをちゃんと見てもらうためにレタッチは欠かせない工程ということがわかりますね。

次はレタッチに取り掛かる前に必要なことについてお話しします。

手段はあとで、まずはゴールを決めよう

レタッチに慣れていない人は、とりあえず明るくしてみる、彩度を上げてみる などやりがちですが、何も考えずツールを触り始めるのはおすすめしません。まずは手を動かす前に、レタッチのゴールを決め、完成形を頭に思い描きましょう。

ゴールの決め方は簡単です。その画像を見た人に思わせたいことが、思わせられるような状態がゴールです。ややこしいのでラーメンで例えます。

例えば美味しいラーメンを紹介したいのであれば、見た人に「美味しそう!食べたくなる!」と思わせる画像にすることがゴールです。

ラーメンの場合

そして、「美味しそうと思わせるには熱々に見せたいので湯気が必要だなぁ、合成で足そう。」「麺や具がつやつやだと美味しそうに見えるなぁ、ハイライトを強調してみよう」など、「美味しそうに見せるには」から逆算して手段を決めていきます。

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当然ですが、食べ物や人物、風景にはそれぞれ違った魅力がありますよね。なのでレタッチも、対象と目的によってやり方を変える必要があります。

何でもかんでも色が鮮やかだったらいい、明るかったらいい、不要物を除去したらいいわけではないのです。
対象と目的によっては合成で付け足したり、あえて色をくすませたり、コントラストを強調したりすることが魅力を引き出す手段となることもあります。

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2つのステップを意識すればOK

実際にレタッチを行っていきます。最初は何をどの順番でやるのかもよくわからないですよね。

私は大まかに分けて2つのステップを意識しています。
①自然な状態に整える」と「②必要な演出を加える」です。

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ここでいう「自然な状態」とは、違和感をなくし、演出を加えやすい土台を作るというようなイメージです。

そして「演出」とは、対象の魅力をより引き出す、また与えたい印象をコントロールするというイメージです。

実際に下記の写真をレタッチしながら説明していきます。

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【ステップ①】自然な状態に整える

自然な状態に整える=違和感をなくし、演出を加えやすい土台を作ります。

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・丸をつけた箇所にシミや傷があるのでなくします
・全体的に暗いので明るくします
・彩度が低いので、少し上げます

アセット 1

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違和感があるところはなくなり、自然になりましたね。

【ステップ②】必要な演出を加える

対象の魅力をより引き出すため、また与えたい印象をコントロールするため演出をします。

今回は
・花の美しさがより強調されている
・印象的で目に止まる
・少し寒さを感じる(季節感)
ような演出をしてみます。

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・より花が美しく見えるように、花だけ彩度を上げます
・印象が弱いので、コントラストをつけてよりメリハリをつけます
・奥行きを感じさせるためぼかしを加えます
・冷たい空気感を出すため、暗い部分に青みを加えます

アセット 1

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かなり印象が変わりましたね。これが演出です。

❗️演出はやりすぎに注意

ステップ①の「自然な状態に整える」はどんな写真でも必ず行いますが、ステップ②の「演出」は”必要な分だけしかやらない"ことを意識しています。

演出は楽しいので、いくらでもやりたくなってしまいます。
そのため、演出を過剰にやりすぎてしまう、小さくて見えないようなところにまでこだわり結果時間を無駄にするという失敗をしたことがあります。

表示される大きさや使われる場所、使うべきリソースなどを考慮し、最初に決めたゴールや目的を見失わないよう「演出は必要な分だけ」をぜひ意識してみてください。

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技術的なことはどうやって学ぶの?

レタッチのゴールとやるべきことさえわかっていたら、あとは大丈夫です。
肌を綺麗にする、湯気を合成するなどの具体的な手順やツールの使い方は、調べればたくさん見つかります。必ずしも暗記する必要はないです。

私は「髭の青みの抑え方」「漫画っぽい演出の仕方」など使う頻度が少ない技術は毎回調べています。

また自動選択系の機能なんかはアップデートする度に使い勝手が変わっていることもあるので、地道に毎回学び直しています。

おすすめの本&サイト紹介

大谷キミトさんの「Photoshopレタッチ[伝わる]写真補正&加工を学ぶ現場の教本」がおすすめです!
単純にテクニックを紹介するのではなく、レタッチの目的を意識しながら進んでいく本なので、大変勉強になります。

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また、ちょっと特殊な演出はPHOTOSHOP VIPで取り上げられているチュートリアルから学ぶことが多いです。
こちらは自分の引き出しを増やすために自己研鑽の一環としてたまに試しています。


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おわりに

個人的に、レタッチはとても楽しくて好きな工程です。

この記事によってレタッチについて理解が深まった、苦手意識がなくなったなど、皆さんにとっていい変化があれば幸いです。

現在スタメンでは、チームでいいプロダクトを作りたいデザイナーさんと一緒に働きたいと思っています。スタメンにご興味を持っていただけた方は、下記のWantedlyページからお気軽にご連絡ください。


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