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“鉄”がなかなか見つからない!!〜ゆるクラ見学レポート①2023年10月

ゆるクラはオンラインゲーム「マインクラフト」をツールに、学校に行っていない子どもたちの居場所をオンライン上に作る試みです。

参加している子どもたちは週に1回、ゆるクラのプログラムで遊ぶことができます。平日、土日ともに開催されており、子どもたちが楽しく遊べるように、主に大学でマイクラサークルに所属する、マイクラの得意な大学生がコーチとなってワールド内をガイドしています。

今回は日曜日の16時からのチームの様子をレポートしてみます! 

レポーターのふもとは「マイクラは全く初めて!」「マイクラについてほとんど知らない」という、超初心者です。実はマイクラのワールドに入るのも初めて。デモ版で視点を自分で変えられること、クリックで地面を掘れることなどを体験し、ドキドキしながらプログラムの配信に入室しました。 

開始時間にDiscordで「集合部屋」が開き、コーチ2人、子どもさん5人が集まり、チェックイン。「〇〇くん、2回目だね、今日もよろしく。」「〇〇くんは初めてだね、どんな感じ?緊張する?」といった会話がのんびりゆっくりと交わされます。

ここからDiscord内で2つの部屋に分かれるようです。マイクラ内の場所もだいぶ違うようです。ん?ゲートのようなものをくぐって、ワープできるのでしょうか。子ども2〜3人に対してコーチが1人ついてゲームが始まりました。

ふもとは勝手がわからず、一生懸命ついていきます。

子ども:剣がないや!
コーチ:盾もないね、作ろうか?!〇〇で作ろう。海の中から拾ってくるといいよ。
子ども:(潜っている様子)
コーチ:溺れないようにね
(ふもとは「溺れることもあるのか!?」とハラハラしています)
子ども:(無事に海面に顔を出す)
(ふもとはホッとする…)

コーチは一緒に遊びながら、使える装備や必要な材料を揃えている様子。子どもたちにもさりげなく、「〇〇があるといいよね」とアドバイスを出しています。

敵がいる様子です。子どもたちとコーチの会話から「エンダーマン」「スケルトン」「ハスク」といった名前が飛び交い、しばらく緊迫した雰囲気に。

子ども:ゾンビがジャガイモを落としていったよ!
コーチ:ジャガイモを栽培して増やしたらどうだろ?僕は鉄が足りないから取りに行くね

コーチは村を離れて鉄を探しにいきます。Discordは繋がっているので、場所は離れても子どもたちとの会話は途切れません。だいぶ遠くまで行きますが、鉄が全然見つからずに苦戦しています。あたりは日暮れ(ちゃんと夕焼けが見える!)、と、

子ども:やばい!ゾンビがいっぱい!
コーチ:急いで帰るね!(移動速度が上がる、村が近づいてくる、雨が降ってきた)

子ども:ジャガイモ畑作ったよ。ほら。あと、猫がウサギを狩るから、ここらに肉が落ちているよ。
別の子ども:かまどは?
コーチ:かまどないから作ろう!石炭と木もないなあ、何もない!笑

そうこうしているうちにあたりが明るくなって朝が来ました。かまどで肉を焼いて、鉄を取るために渓谷を探しにみんなで行くことになりました。コーチは歩き、子どもたち2人はラクダに鞍を乗せて乗っていきます。体力が温存されて良いとのこと。

良さそうな渓谷を見つけて掘ったら鉄と、おまけでラピスラズリも取れて無事問題解決!夜になったので村に帰ります。

かまどで鉄を焼いて装備を作ります。ジャガイモも焼いてベイクドポテトに。

そろそろプログラム終了時刻なので、ゲートへ戻るために海を渡ります。3人それぞれ別のボートなので、途中で仲間を見失ったり、立ち寄った海岸でゾンビが乗り込んできたり。

コーチ:あ!ネザーゲートだ!
子ども:海がすごい綺麗!
朝焼けの海の景色がとても綺麗な中、ゲートをくぐって元の場所へ。

コーチ:じゃあ、今日はここまでで。今回は鉄が手に入ったね!
子ども:帰れた!
コーチ:じゃあ18時になったし、解散しましょう。来週も日曜にあるからね!よろしくね!

<レポーターふもとの感想>
 予想以上に景色がリアルで、できることもリアルでした。1つのジャガイモから畑ができたり、鉄から装備を作ったりできるので、これは子どもたちに限らず、大人も楽しいなと思いました。横から見ているだけでのめり込んでしまいました。
 
今回くっついていったグループは、ハキハキ喋る子と、あまり喋らずに黙々と作業する子の2人にコーチが1人だったけれど、どちらの子も楽しそうに遊んでいた様子が素敵でした。コーチの話し方も穏やかで、さりげないアドバイスが良かったです。
 
回を重ねていくと、子どもたちはもっとのびのび遊べて、会話も増えるでしょうか。それとも、話さない子も話さないまま居心地良く遊んでいくのかな、どちらも素敵だなとプログラムの進行が楽しみです。またレポートします。

<レポーター紹介>
麓 加誉子(ふもと かよこ)
学校に行けなくなった3人の子どもに対応して、自宅を拠点に過ごしています。子どもたちは現在10代後半〜20代になり、それぞれのスタイルで働いたり学んだりしています。フリーライターをしているご縁で、ゆるクラ発案者の岡村さんに誘われて広報チームにに参画中。