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一生懸命は美しい

コロナ禍で映画になかなか行けずじまい、楽しみにしていた作品も公開延期になったまま公開日が決まらない!そんな中、ファーストデイにノリと勢いで、かろうじてレイトショーが残っていた「のぼる小寺さん」を予約!!!これが予想外に素敵な出会いでした。いま青春真っ只中の人も、大人も、観たあと何かを頑張ってみたい気持ちになると思うなあ。

以下ネタバレあり

誰もの学生時代に憧れのクラスメイトが1人はいることでしょう。自分が何に一生懸命になればいいのか分からなくて、ただぼんやりと日々を過ごしている時、何かに向かってひたむきに頑張っていて、一生懸命で、そのクラスメイトを見ているとなんだか背筋が伸びる気がする。小寺さんはそんなクラスメイト。ただただ目の前にある壁をのぼる。誰のためでもなく、試合に勝つためでもなく、ただのぼる。その一生懸命な美しさに、彼女の周りの人々が刺激されていくのです。

最初はクラスメイトそれぞれの視点から小寺さんを見つめる構成だったので、「一生懸命な小寺さんをいろいろな視点から描く映画なのかな?」と思いながら観ていたのですが、少し違いました。進路調査票を白紙で出した小寺さんを含むクラスのメンバー。再提出を求められ、小寺さんは紙にただ「クライマー」と書いて出します。

「まずは、クライマー目指してみます。」

そして、小寺さんはまたいつもと同じように壁に挑み始めます。進路が定まらなかったクラスメイト達が、のぼる小寺さんを見つめ、憧れ、魅了されながらどんどん変化していくのです。ひたすら壁と向き合う小寺さんを見つめたクラスメイトは、ぼんやり、なんとなく過ごしていた自分を変えるため、それぞれの場所で努力しはじめます。

小寺さんは最初から彼らと友達だったわけではないし、彼らに言葉もほとんどかけていません。ただ、壁に挑む小寺さんの姿だけが彼らを変えていくのです。

すごくシンプルな構成ですが、終わる頃には小寺さんをはじめ、がんばる高校生たちみんなのことを応援したくなり、自分も何かを頑張ってみようかなと思えます。こんなに心が暖かく、背中を押してもらえる映画は久しぶりでした。また観たいなあ。

#のぼる小寺さん #映画 #工藤遥 #伊藤健太郎

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