見出し画像

読書の秋、文学の秋。

こんばんは。夜中ぶりです。
みなさん祝日はどうお過ごしでしょうか?私は久しぶりに授業終わりに何もない木曜日をゆったりと過ごしています。


 11月に入って匂いやそれこそ紅葉だったり、風の冷たさや陽だまりのあたたかさがよく感じられるようになりました。
私はのんびりと(今月はちょっと忙しく)大学生活を送りながら文学に浸る生活をしています。
文学に浸るというのはとても楽しく、私にとってはそれを学ぶのが今までの自分の価値観を見直すことや自分自身の人生観を変えることにつながっていくのです。文学は「人文学」の一種で、その文字の通り「人間を学ぶ」こととなります。「人間を学ぶ」と聞くととても難しそうに聞こえますが、人間がどのような思考回路を持っているのか、何を意図して書いたのかなど全部「人文学」です。いわば、文学そのものが一人の人間の人生を描いているため、文学自体が教材です。そこから何を学ぶか、何を感じるか、人それぞれで正解がない問いを各自で探していくというのが私が今学んでいる学問です。


 長々と私の専門分野について語りましたが、ここからは私が好きな本や作品を紹介しますね。

①原田マハ『常設展示室』(新潮文庫)
美術館を舞台にしたさまざまな短編小説を1つの本として出版されているのですが、見事にすべて視点が違う「美術館」なんですよね。読んでいただければわかるのですが、見事に違う。結末に涙してしまう作品もあります。これを読んだら美術館に足を運びたくなってしまうような本です。私が好きな作品は『薔薇色の人生』です。薔薇……薔薇とサムライ…だからではないですよ。もちろん薔薇に薔薇サムと反応してしまいますが。

②湊かなえ『告白』(双葉文庫)
これを読んで3年ぐらい経ちますが、それでも覚えている作品。それぐらい衝撃的な本でした。とある女性教師の話なのですが、その女性教師の娘が学校のプールで水死体として見つかるところから物語は展開していきます。その犯人捜しや動機なども描かれていますが、怖い、怖すぎる。美味い、美味すぎる。じゃありませんよ。十万石饅頭ではありません。人間の怖さを思い知らされます。思い出しただけでも身震いがします。でも早く続きが読みたくて読み進めているとあっという間に終わってしまう作品です。まだ松たか子さんの映画の方は見たことがないので見てみたいなと思っています。

③湊かなえ『往復書簡』(幻冬舎文庫)
また湊かなえ?と思ったあなた、ごめんなさい。実は湊さんが大好きです。この『往復書簡』はタイトルの通り、往復書簡がテーマの短編集です。どの往復書簡も手紙のやり取りでその当時の世界観が鮮明に映し出されるのですが、私がその中でも印象深かったのは『二十年後の宿題』。とても心が苦しくなります。よみがえる当時の状況、いったい真実はどうだったのか。それを知るたびに、やさしさや時に切なさ、残酷さが味わえます。これはあまり怖くないので心の準備しないでも読めるかと思います。知らんけど。

④中島敦『山月記』
いきなり時代が飛んだ!!とびっくりされたかもしれません。私はちょっとさかのぼって近現代文学も大好きです。
みなさん、学校の授業で習いました?「その声は、わが友李徴子ではないか」でおなじみのあの作品です。テストの時に「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」で「全然わからんどうしよう」と嘆いていた私ですが、あの時に自分で納得のいくまで勉強したからこそ、とても好きな作品です。もともと中国に似たような話があって、それに中島敦がアレンジを加えたもの、とされています。何もかもすべて棄てて虎になってしまいたい。思わずそう思ってしまう作品です。猫になりたい ならぬ 虎になりたい。


今回は結構長くなってしまいました。本のことを語るとやっぱり長くなってしまう。それぐらい大好きなんです。
まだまだ紹介したかったのですが、ここまでにしておきますね。
長々と読んでいただいてありがとうございます。

ではまた~~


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?