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ホロスコープは動く立体絵図~私が私であること

ホロスコープに描かれている膨大な情報はひとつとして単独のものはありません。例えば、太陽が牡羊座で1室にあるーーそれは星の言語の基本であるにすぎず、ハウスのルーラーシップやアスペクトにより、ビリヤードの球のように牡羊座1室の太陽が次々に反響していきます。


ハウスがどのように拡がりを見せていくかは、各ハウスの起点であるカスプサインの支配星がどのハウスにあるかを辿っていくことで確認ができます。そこからハウスの象意がどのように展開していくかを見ます。(ハウスのルーラーシップ)


例えば、3室カスプが射手座の場合、その支配星である木星がどこにあるかを見ます。4室に木星があった場合、さらに4室カスプの支配星がどこにあるかを辿ります。そうすることで、3室の象意(コミュニケーション、言語表現、兄弟姉妹に纏わること、知性に関わる事柄等)がどの舞台で関連し、また、拡がるかを見ることができます。


さらに、天体の支配するハウスというものがあります。例えば、太陽ですと獅子座がそのルールされるサインですので、獅子座カスプのハウスがそれに当たります。こちらはハウスではなく、天体がどの舞台で活躍するか(どの現場へと関わっていくか)を見ることができます。


限定的に、太陽とアセンダントの動きを確認するだけでも、その方の土台となるテーマが浮き上がります。


さらに、トランジット(現在運行中の星の配置)の影響も受けていますので、平面に見えるホロスコープは、実際のところ、非常に立体的なものになっています。(占星術を学ぶ者がホロスコープの立体的理解を深めるためにトランジットを意識することは有効です)


また、通常のアスペクトの他に、パラレル・コントラパラレルというものがあります。これは赤緯占星術におけるアスペクトで、「平面図を横から見た場合に現れるテンション違いのアスペクト」です。パラレルは合(コンジャンクション)、コントラパラレルは衝(オポジション)と同義とされます。


これもホロスコープの立体的構造を物語るようで興味深いです。ちなみにこれはかなり当たります。ユリシスは太陽・水星、火星・冥王星がパラレル、水星・土星がコントラパラレルです。


通常の合と衝とは、少々ニュアンスが異なりますが、基本的な意味合いはほぼ同じだと思います。ただし、天体同士の関わりがより深い部分からもたらされており、「異様なテンション」だと松村潔さんは解説されています。パラレルの場合、天体同士が融合しようとします。二つの天体が混ざり合って色を変え、さらなる拡がりを見せていきます。(恐らくですが、コンバストの意味合いはあまりなさそうです)


太陽と何等かの天体がパラレルの場合、その方の生き方や価値観にその天体の意味合いや働きが強く加わってくるのでしょう。太陽・水星パラレルだと知性的分野や言語表現そのものにその方のソウルとしてのテーマと輝きがあるでしょう。太陽と金星がパラレルの場合、愛と美しさというテーマがスピリットそのものになるでしょう。



火星・冥王星のパラレルも、内的世界を表現しよう、独自の意図を持って行動しようとする時、常に相反する力が引っ張っているような感覚があります。私の場合は、自分を強く押し出そうとする時や何かを言葉にして表現する時、思うように表現しきれない、自分の内側にあるものを出し切れない感覚が常にあって、「この産みの苦しみを超えたい」という欲求と共にあります。言語化し難い静かなフラストレーションがいつも存在しているという感じです。



このように、ホロスコープは生きていて躍動しています。それは占星術自体(星と意識)が進化し続けていることの顕れでもあります。私たちの意識が拡大すれば、星たちもさらなる情報を開示してくれます。


そう考えると、天体・星座サイン・ハウスの象意は時代と共に変化・変容していくことが、ごく自然なことであろうと思います。月という天体は集合無意識でもありますから、かつては「ベネフィック(吉星)に近い天体であった時代」も存在していたことでしょう。



しかし、現在は、人類の意識が最下層に落ち込むカリユガの時代だとされます。そうなると、月はマレフィック(凶星)となるはずなのです。月=集合無意識だからです。時代と意識が変化していくものである以上、同じ解釈のままでは適応できないわけであり、その視点からも、月理論の整合性は十分に図れます。


ハウスとサインにおいて、現在、大きく変わりつつあると感じるものは4室(蟹座)と10室(山羊座)です。4室はルーツ、存在の拠り所であり、ホロスコープ全体を支えている根っこの部分です。いくら10室付近に星が輝くホロスコープであっても、根っこが脆弱だと簡単に揺らいでしまいます。4室(天底)は母を表すとされていましたが、父を表すという考え方が主流になりつつあるようです。


偶然かもしれませんが、私にとってのIC(4室カスプ・天底)はまさに父です。水瓶座2度はどう考えても私の父の本質を表しており、MC(10室カスプ・天頂)は獅子座2度で母そのものです。大きな意味合いから考えても、女性性が太陽であり、MCに当たると感じます。


故に、4室(蟹座)と10室(山羊座)が相互的かつ巧妙に、入れ替えられていた部分があるのでしょう。今後はそれが逆転していくに違いありません。女性性(命、多様性、共存共栄、個性)という基盤を骨抜きにした状態で発展してきた魚座時代です。


しかし、水瓶座時代は天底がそのまま天頂になっていくのではないでしょうか?すなわち、それは個々人の存在の基盤、ソウルでありスピリットそのものが社会の中で輝き、経済が回るということ。システムの駒である必要が消えていく時代です。そのためには自分自身を生きること!脈々と続く命のリレー、受け継いだスピリットを認め、そこから湧きがるものを表現していく時代です。


また、天底は晩年、終着点でもありますので、木星期を過ぎ、土星期に差し掛かると、なおさら、この部分を押し出していくことが重要になるでしょう。底に沈んでいて活躍しにくい「オンリーワンのソウルの輝き」こそが、新しい時代を先導していく大切な核であると考えています。


個が十分に個でありながら、他者と世界との繋がりを取り戻していくこと。個が個ではない状態ではすべてが揺らいでしまいます。絢爛豪華な建物も土台がしっかりあってこそです。すべては自分自身なのです・・・

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