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アセンダントの重要性~今上天皇のアセンダントルーラーと上昇星

令和天皇、現在の天皇陛下の出生は1960年2月23日・16時15分と公表されています。当時のニュース映像が残されています。美智子様が入院された時刻、宮内庁が皇太子ご誕生を発表した時刻が明確であること、その間マスコミが病院に張り付いていたこと、出生図と陛下の人生についてある程度の整合性がとれることから、この時刻を採用して読ませていただきます。



※日本の象徴である天皇陛下というお立場であること、出生時刻が公表されていることを踏まえ、チャートを添付させていただきます。また、アセンダントの重要性や解釈の仕方がとてもよくわかるチャートでもあります。



アセンダントは獅子座で、オーブ1度以内で重なる天王星が上昇星です。太陽は魚座7ハウス。堂々と落ち着いていて風格のある立ち振る舞いはアセンダント獅子座によるものでしょう。アセンダントは対社会におけるペルソナであり、私たちが果たすべき役割でもあります。



そこに天王星が重なっているため、やはり予定日より一週間程度の早産であられたようです。上昇星は往々にして出生時の状況を示し、それがある種の「人生のモデル」になっていきます。生きるとはこういうものであるという無意識的なモデリングを作り出します。



陛下はアセンダント+天王星がヨッドの頂点に当たります。個人としての人生を超え公人となることが避けられないさだめ。獅子座=天皇、天王星=改革・魂から齎される真実。それが人生の全てを方向づけていくと言っても過言ではないくらいで、言動からお察しするに大変誠実に役割に徹しておられ、慈悲深く理想高き人格の持ち主であると感じます。



天王星は電気的でテレパスな性質を持ち、我が道を邁進するため、(周囲に迎合できず頑固になってしまうケースもあるとは思いますが)すべてを振り払うような強い力となって発露します。天王星が重要な位置にあれば、自分の真実や理想を決して捨てることができない性質を生み出します。



多くの場合、それは自分だけの損得やこの世的な性質を帯びた真実や理想、あるいは自由ではないため、結果的に強い平等感と博愛精神に満ちた人物となることが多いのです。(それが土台にあり改革精神を生み出していく)陛下が雅子様を守り抜く強い姿勢を示されたのは、まさにこの天王星が発露してのことだと思われます。



一方、太陽はより本質的な自己です。温和でユーモアがありお優しいお人柄は役割から生じてくるものでも何でもなく、真実のお姿であることが伝わります。7ハウスにあることから他者との関わりを通じて、成長したり物事を達成していくことが人生の重要なテーマであることも読み取れます。


さらに、アセンダントルーラー(この場合は太陽)も7ハウスにあります。アセンダントルーラーはチャート全体を支配すると言っても過言ではありません。アセンダントルーラーが位置するハウスの事柄は人生の展開が(強制的に)向かっていく方向性であり、見えない動機(自分でも気づいていないけれど人生を運んでいく力)でもあります。



たとえば、太陽や多くの天体が上半分(南半球)にあって、社会での活躍やお仕事面に強い意識を向けていても、アセンダントルーラーが4ハウスにあれば、感情面の安定、心理的自立、家系的負の遺産の解消、安心できる居場所や家庭を大切することなど、結局はプライベートな事柄や内的世界を無視できない状況になっていきます。(そのように人生が展開していきます。)



また、アセンダントルーラーの位置するハウスの事柄は冥王星的になります。あるいは太陽と土星が同居しているような感じとも言えます。そこから大きな恩恵を受ける一方、同じだけの苦難や難題にも直面しなくてはなりません。つまり、そこから逃げたくなるけれど、でも、どうしても逃げられないーーわけなんです。



7ハウスは契約を結んだ相手との関係性を示します。特に配偶者・パートナーとの深い関わりを通じて人生が発展していくわけです。ゆえに、雅子様と一心同体となって二人三脚で歩むことなしには、その大きな役割を全うすることができないーーと読めます。また、今上陛下と皇后雅子様の出生図を合わせると、陛下のディセンダントに皇后の土星が乗ってきます。



自由快活でグローバル、個を尊重した世界で活躍されてきた雅子様と強い伝統や重責の下にある皇室に生まれた陛下がご結婚することで、大きな苦悩が生じることは避けられないことであり、またその苦しみを受け入れ直面していくことで、令和天皇というお立場(新しい時代の皇室のあり方)が見事に確立されていくことが示唆されています。運命的な配置であり、深い絆で結ばれたお二人であることが伝わります。



ホールサインシステムではアセンダントルーラーは8ハウスに位置し、それは4ハウスへと繋がっていきます。ご夫婦が深い絆で結ばれ、運命共同体となって、新しい皇室を作っていかれるでしょう。この場合の4ハウスは国そのもの・国体とも言えるもので、国民を母性的愛情で包み込むような、祈りで下から国を支えるようなイメージが湧いてきます。



海王星もICの近くにあるため、伝統的な皇室のあり方とお二人の理想とするあり方に折り合いをつけていくことは相当に難しいことであったのではないかと感じられます。海王星は集合無意識を反映して、全体のための理想を描いていくような不思議な力もある一方、迷妄感や幻惑の力としても働くからです。



また、公表されている皇后雅子様の出生時刻が正しければ、同じく天王星が上昇星になります。これが事実であればすごいことだな〜と息をのみました。若き日の雅子様は外交官を目指した理由を訊かれ、「世界の繁栄と平和のために何ができるかを考えていかなくてはならないと思いました」と述べられています。



「世界の中の日本・世界の中の皇室」ーーお二人は同じ理想を持っているからこそ、今上陛下はそこに強く惹かれたということなのでしょう。初めから多大なご苦労があることは承知の上で「新しい時代の皇室」を目指して、雅子様と共に歩んでいきたいと願い、だからこそ、苦悩を乗り越えてこられたのだと感じざるを得ません。



男性と女性が対等に関係性を結びひとつになる、世界・全体と繋がる視点を持つ、古き良きもの継承しつつ新しい時代へと適応させていくーーーまさにお二人は水瓶座時代の象徴のように感じられます。男性性に傾きすぎていた時代を転換させる象徴のようなお二人ですので、愛子さまが初の女性天皇として即位されることは極めて自然なことではないかと感じられます。



太陽は目指すべき自己であり、全ての柱です。でも、全ての天体はアセンダントを通じて発揮されていきます。アングルは建物で言うと屋台骨・大黒柱であり、音楽で言うと基音です。その中でも、いかにアセンダントが重要であるかがよくわかるチャートです。アセンダントルーラーが何ハウスにあり、どんなアスペクトと方向性を持って展開していくかという視点から読ませていただきました。

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