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本当に生きていると言えるのか〜外惑星の意義

出生図において、冥王星や海王星からの強いアスペクトがない場合、その方の人生が平穏無事に流れていくかというと、そうとは言えません。トランジットの影響でも同様のことが起こるからです。人生で一度も外惑星(天王星・海王星・冥王星)からの洗礼を受けない人はいないと思います。トランジットの冥王星や海王星が太陽や月などの主要天体、アングルを通過していく時、あるいは厳しい角度を形成する時、私たちは偽りの自分の姿や誤魔化しの人生に直面させられます。



天王星、海王星、冥王星の外惑星は三位一体のような存在でもあります。天王星はきっかけやとっかかりを与えます。私は肉体の中に留まっている単なる物質的な生き物ではない、私は熱い魂を持った存在であるーーそれを忘れないように、物質世界と意識世界を繋いでくれているのが天王星です。物質世界にしがみついて生きている私たちに、おまえは自分の魂を忘れたか❓おまえの真実はどこにあるのだ❓と雷鳴のようなショック・トリガーを与えます。


海王星は幻想を与えることで私たちを救済もし、そして意識を朦朧とさせて翻弄もします。海王星は麻酔と同じような作用を持ちます。現実があまりにも苦しい時、現実を直視したくない時、海王星の麻酔(マジック)をかけて緩和させることもできるのです。しかし、海王星を自我にとって都合の良い幻想世界を生きるために使うと、やがてその大きすぎる代償を支払うことになり、それによって、私たちを覚醒させようと働きかけます。



冥王星は影のボスです。ボスですから、冥王星自ら私たちの運命に働きかけることはほぼなく、他の天体を使って動かします。ハイヤーセルフのような存在とも言えます。冥王星は「冥さ」を持っているので、光も闇も統治します。なんだかよくわからない、どこかしら不気味で得体の知れないものを与え、または、私たちに実態のない白昼夢のような希望を抱かせ、それをエサにして「こっちへおいで」と手招きもします。



そして、底が見えない闇に突き落とすことで、私たちの中に眠っている無限の生命力を発見させていきます。冥王星は自我の私たちが望むもの(経済保証・生活の安定・名誉や成功等々)などには一切の価値を置いていません。ただただ、私たちの偉大さと本来の姿に気づかせようとします。爆発的生命力、無限なる創造性、魂の進化にしか興味がないのです。



それに気づかせ、それを促すためには容赦なく破壊することも厭わず、時に全てを根こそぎ奪っていきます。寝ぼけている私たちが覚醒して、自分の本当の力に目覚めたのなら、冥王星は破壊の代わりに無限のバイタリティを与えてくれるようになります。目的を達成したなら、それ以上、苦しみや試練を与える理由がなくなるからです。



外惑星は「覚醒と自由と開放を与える星」です。一体、何から❓それは自我が展開する薄ぼんやりしたドラマからの目覚めであり、自分で作り出した監獄からの自由と開放です。自我は安全に生きていきたいと願います。傷つきたくはない。何も失いたくない。自我は病的なまでに過去にこだわり、過去を生きています。この日常が明日も明後日も続いていけばそれでいい・・・



外惑星たちは、吹けば飛ぶような安全と保証、つまらない自己防衛と幼稚なプライドを守るために展開される「欺瞞に満ちた嘘くさいドラマ」を生きている自我の私たちに、出来事や人間関係を通じて、爆弾を投下してくるわけなんです。それに応えるか応えないかは選ぶことができます。薄ぼんやりした自己憐憫のようなドラマの中に埋没して、自分の本当の力を使わずに一生を終えることも無駄な体験ではありません。



でも、外惑星だって私たちの一部です。それらを受け入れ、自分のものとして使えるようになるまでは「本当に自分の人生を生きている」とは言えない、そういうことになります。偽りのドラマの中で誰かを救っている場合じゃないです。それは愛ではありません。私たちは私たちを救わねばなりません。自分自身を幸せにしなくてはなりません。そして、どんなことにも飲み込まれない凄まじい生命の力を、どんな強風にも消されることのない命の炎を、自らの内側にこそ発見しなくてはなりません。

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