収まることのない興味を自分自身で抑えて・・・
子供の頃からこの世の中は不思議なことであふれていた。
『私たちは酸素を吸って二酸化炭素を吐いている。』
『電話はなんで線がないのに会話ができるのか。』
『カサブタは何でできているの?』
『恐竜はなんでいないの』
『エジプトの人はなんでミイラを作ったの』
生活していて気づいた小さなことから大きなことまで興味が湧くことで溢れていた。
人が体験していることはわたしも体験したい。
興味があることはなんでも挑戦した。
それも、中学生になるとそんなことはどうでもよくなった。
高校生になると気にもしなくなった。
考えているのは、人間関係だったり流行りもののこと。
不思議だと思うことなんて何一つなかった。
わたしの世界からは不思議というものはなくなって、興味もそれと同時になくなっていった。
わたしの世界はだんだんと狭くなり、苦しくなっていく。
自分が自分ではなくなるような。
みんなと同じ。みんなと一緒。量産型のロボットのように生活していた。
わたしは、わたしのことを否定する人を嫌った。
存在までも否定されているように思えたから。
自分が人と違うことをすると否定する人数が増えていった。
あの子変わってる。
おかしい。
そんなことを言われるたびにわたしはロボットへと変わっていた。
何も言われない。否定もされない。安全圏へ逃げていた。
自分の意思はなく、流れに身を任せて人と行動する。
それが一番生きていきやすかったし、楽だった。
そして、いつの間にか考えることを辞め、人から嫌われない一番の安全圏を歩く。
個性はなくなり、自分がなくなり、いろんなものが崩れ落ちていく。
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