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潜入!「万人に好かれるなんて無理」元AKB48に聞いた、ファンづくりの裏側!


「犬も歩けばアイドルにあたる」と言われるほど、アイドル戦国時代のこのご時世。「アイドルになりたい」と夢見る少女たちが、ごまんといる中で突き抜けるために欠かせないのが “選ばれる力”。

ごくごく普通の女の子が、ファンや大人たちから“選ばれる”ためにしているそのリアルな裏側を“元AKB48”が語るとのことで潜入してきました。

※なお、わたし自身が、AKB48グループのライブや劇場公演、握手会に参加するほどの生粋のアイドルオタクであるため、ところどころ心の声が入ることをご了承ください。



■オーディションで“選ばれる力”とは??

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「みんなアイドルになりたい子が集まっています。可愛い、ダンス・歌もそこそこで、持っているスペック同じ。飛び抜けるにはみんなと違うことをしないといけないんです。

わたしはダンス審査のときに、ひとりだけ立ち位置を移動して、センターのポジションで勝手に踊りました。『この位置で踊ってね』とは言われたけど『移動したらだめです』とは言われていないんですよ(笑)。

規律を守れないことが理由で落とされるのであれば、おそらくわたしはダンス審査までに落とされていると思うし、自由にやりました。そのことについてあとから『なんでそんなことをしたの?』と声をかけられて。『自分の立ち位置では見えないと思ったので』と答えました。

実は、その声をかけてきた人が偉い人だったみたいなんです。偉い人を見極めるのって大事ですよね。最後の決定打を持っているので。」



■たくさんのメンバーがいる中で“選ばれる力”とは??

「ひとりひとりにまでマネージャーいないから自分でブランディングを考えるしかなかったんです。長く残る人はブランディングうまいですね(例:柏木由紀さん・篠田麻里子さん・市川美織さん(フレッシュレモン))。

AKB48は完成された状態じゃなくて、ぽっと出の状態の自分もファンが見てくれている。だから、ファンが自分のいいところを教えてくれる(私服・髪型など)んです。それで軌道修正をしました。麻里子さまのショートカットも人に言われてだったと思います。

人から言われたことを素直に取り入れられるかどうかが大事ですね。自分で『これ』と決めたことは譲れなくなってしまうし、キャラ立ちしないパターンも多いです。」



■劇場公演で“選ばれる力”とは??

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「AKB48は秋葉原の劇場で毎日公演をしています。わたしは客席全体を見ることはしないです。自分の立ち位置からよく見える客席のエリアにしぼって、目線を送り続けるようにしていました(笑)。この公演から、次の握手会に5人でも来てくれるようにしようって目標を立てていました。

公演中に目があった人のことは覚えておいて、公演後のお見送り(現在は休止中)のときに、「目があったよね!」なんて声をかけたりもしています。

でも、みんなをファンにできるわけではないです。目線をおくっても、他の子をじっと見ていたり、そもそも興味がなさそうにしていたりする人もいて。そういうときはその人は諦めます(笑)。万人に受けるなんて現実世界でも無理なのに、アイドルではもっと無理。コアなファンが10人でもついてきてくれればいいなと思っています。」

<わたしの心の声>
うおおおおお!これはやられたことがあるぞおおおお!劇場公演って、グループにもよるのですが、だいたい300人前後のキャパシティで、最前列はメンバーとの距離が1メートルもないのです。最後列でも表情の動きもバッチリ見えます。わたしも最前で見たことが何度もあるのですが、メンバーのダンスによる振動はおろか、ターンにより巻き起こる風までも感じられる臨場感でございます。振りによって目線の高さが変わるので、目線を送る先をメンバーが使いわけているのも感じますね。ツウのオタクになりますと、最前列に座るよりも立ち見の方がメンバーと目の高さがあってレスポンスもらいやすいことを熟知しておりますので、あえて後ろに行く人もいます。わたしも、特に注目してなかったメンバーからじーっと見つめられて好きになったことが何度もあります、はい。お見送りで声かけられることもめちゃくちゃあります、はい。完全に釣られてました。あと、メディアでは目立たない子が劇場に立つととんでもない輝きを放っていることがあるので、わたしは握手よりも劇場公演がすきです。大箱のライブでもだめなんです。公演が原点です。なにはともあれ、アイドルかわいい、はあはあ。



■握手会で“選ばれる力”とは??

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自分にとってはたくさんの中のひとりでも、お客さんにとっては1回の思い出です。いかにその1回の時間を濃密にして次につないでいくかだと思っています。

わたしは、ファンとの間に物語をつくることを意識していました。例えば、はじめて来てくれたときに名前を聞くじゃないですか?そして、次来てくれたときに『名前おぼえてる?』って聞かれることがあるんですけど、本当は覚えていてもわざと忘れたフリをするんです(笑)。すると、覚えてほしいからまた次も来たくなるでしょ?ファンにとったら『名前覚えてもらったけど忘れられちゃった』というひとつのストーリーができるんです。ストーリーをつむいで展開していくんですけど、あくまでその主導権はこちらが握ります!

あとは、なるべく表情は豊かにしています。そういう子の方が話していて楽しいですよね。今でも表情の豊かさは褒められます!」

<わたしの心の声>
うおおおおおお!握手会は沼だ!沼!何枚CDという名の握手券を買ったかわからない。発売日にダンボールいっぱいに同じCDが届く恐怖!いやああああああ!でも、まさにこの「ストーリー」をファンとつむぐって大事です。ファンによると思うけど、わたしはテレビ・ライブの感想を伝えるとかよりも、わりとなんでもないことを話すのが好きで。お洋服とか化粧品の話とかをよくしています。「次の部、一緒の髪型にしよう」って約束したり。すると絶対行っちゃうじゃないですか。分かってるのに、くそう。あと女性というのもあって覚えてもらいやすいのか、半年くらいあいても向こうから名前呼んでくれたり、髪切ったの気づいてくれるくらいに覚えててくれるんですよね。するともう、忘れられたら悲しいから、盆と正月に親戚にあう感覚で会いに行っちゃいますよね。お客さんとしては”細い”のかもしれないけど、ちゃんと選挙も投票しますし、ちゃっかりしてます(チャリン)。あとは、人気メンバーは、男性・女性とか、関係性によって自分を使い分けたり、物理的な距離感を調整するのが相当うまいです。常に360度見られている意識も高いですね。自分対目の前のファン、だけじゃなくて、その後ろで並んでいるファン、またその後ろのファン、他の列に並んでいる他のメンバーのファン、なになら警備の人、剥がしのバイトの人、みんなにみられている意識と魅せる意識が相当強いです。



■人気が出る人と出ない人の“違い”とは??

「伸びない1番の理由は“プライドが高くて人の意見をきけない”ことですね。プライドは高くてもいいけれど、ひけらかすものではないと思っています。ファンやスタッフから意見を言われたときにそれを聞けるかどうかが分かれ道かと。

でも、そもそもAKBに入る子って反抗期なんですよ。仕事の自覚もなくて、部活・バイトの感覚になってしまったり。難しいです。」



■“アンチ”との関わり方とは??

鈍感力も必要だと思います。でもアンチはなぜアンチができるのか考えたことありますか?アンチって相当関心がないとできないんですよ。好きの反対は興味なし。アンチの意見だとしても合っているものは否定せずに受け入れるようにします。自分を見てくれていることに変わりないので。でも、アンチの意見をきくことで、自分のテンションを維持できないのであれば見なくてもいいと思います。」



■元AKB48が考える、インフルエンサー・人気商売ついて

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自分が商品なんだという認識をもつことは大事だと思います。自信はなくても自信があるように見せるべきですね。

まずは自分を好きになって自分を大事にすること。謙遜する必要はないです。それは何もルックスに関してだけじゃなくて、なにかに詳しいとか、これだけは得意だっていうものでもいいです。商品になりそうなところを誰よりも自分が大事にすること。

世界で一番かわいいと自分に言えるのは自分だけです。他人にそれを頼るとその人がいなくなると崩れてしまうので。自分を大事にできる人はキラキラしていると思います」


■最後に

今回、この機会をくださったのは、友人でもある、ゆづきさん。アイドルオタクのわたしに「夢を壊すかもしれないけど…」と声をかけてくださったおかげで、この潜入企画が実現いたしました(ゆづきちゃん、ありがとう!)。

ゆづきさんが主宰をする、オンラインサロン「森一派」では、インフルエンサー育成に力をいれていて、今回のような外部講師を招いた講義も開催されています。募集は毎月3日~5日で人数限定。詳細はこちらです。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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