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鬼罌粟の花

自宅の前に大きくはないが花畑がある。
基本的に宿根草のガーデンを目指しているが、なかなか思うように行かない。
去年までは芽吹いていた花が今年はダメだったとか、いらないのに増殖しちゃってどうしようこれとか。
基本的にはブルーとグリーンの寒色系でまとめようと思っているのだが、他所様の庭で揺らいでいた赤いオリエンタルポピーに心惹かれて、3株植えてみた。植えて2年目に花をつけたときは、その鮮やかな花色に目を奪われた。
今年は気候のせいか寒色系の花のつきが遅い中、一本だけ早咲きだったのか大きな赤い花を咲かせた。


ここからは単なるアニヲタの戯言。

「鬼滅の刃」の世界にどっぷりと浸かってもう幾歳。
いい年して今更アニヲタとかどうなのよと自分でも思うところは多々あるが、誰に迷惑かけているわけでもないからいいかなと開き直っている。
「推しは誰?」とよく訊かれる。
殆どの人はきっと柱だったりかまぼこ隊が推しだろう。
ごめん。私の推しはだ。それも鬼の始祖だ。
高慢で傲慢で自信過剰で猜疑心が強くて、そして孤独な ―――。

ああ美しい…


未だ他の花が咲き誇る前に、一輪だけ咲いた赤いオリエンタルポピーが鬼の始祖のように見えた。
そんなことを娘に言うと
「無惨の花は『青い彼岸花』でしょ?」
と返された。
「青い彼岸花」は彼が完全体になるための手段というだけで、彼を象徴する花じゃない。そもそも、青い彼岸花なんて自然界に存在しない。存在しないものは無視だ、無視。


オリエンタルポピー。和名:鬼罌粟<おにげし>

西アジア原産。秋から早春に生育して春から初夏に開花・結実し、夏の間休眠する宿根草である。高温多湿に弱く、日本の暖地では夏に枯れてしまうことが多く、秋まきの一年草として扱われている。警戒する程では無いが、麻薬では無いモルヒネ類似物質のアルカロイドを含み有毒である。

草丈は50cmから1m程度[1]。葉には羽状の深い切れ込みがあり、葉や茎全体が粗い毛が生えている[1]。晩春から初夏にかけて、1mから1.5mにもなる花茎をだし、花径10~20cmにおよぶ大きな4弁花を咲かせる。花色は、朱色で中心部に大きな黒の斑点があるものが基本だが、サーモンピンクや淡紅色、白、白に赤の覆輪のものなどもあり、栄養繁殖系の品種には八重咲きもある。

モルヒネ類似物質でケシアヘンアルカロイドを含み、麻薬指定成分を乳汁に含むため麻薬及び向精神薬取締法で栽培が禁止されているハカマオニゲシと酷似しているため注意が必要である。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

無惨には赤と黒が似合う。
美しい中に禍々しさを潜めた赤。さしずめ血の色を表す「朱殷」あたりか。
さすがにオリエンタルポピーにその色はないが、和名には「鬼」が入っていて、栽培種でありながら微量な毒を持っている。
もっとも、オリエンタルポピーよりも無惨にふさわしい花は袴鬼罌粟だと思うが、さすがにこれは栽培禁止植物だ。

ハカマオニゲシ(袴鬼芥子または袴鬼罌粟、学名:Papaver bracteatum)は、ケシ科ケシ属多年生植物。植物体の乳汁中に高濃度の麻薬性のケシアヘンアルカロイドテバインを含むため、日本では麻薬及び向精神薬取締法により原則栽培が禁止されている。

きわめて近縁のオニゲシ Papaver orientale や Papaver pseudo-orientale (この種には標準和名が付いていない)とともにケシ属中に Oxytona 節を構成している。この3種は原産地が重なるので野生下においても交雑するが、人工的に交雑させ固定した品種群が今日オニゲシ又はオリエンタルポピーの名で世界中で栽培されている園芸植物である。

外観や特徴、生活環までオニゲシとまったく同じであるので、詳細はオニゲシの項を参照されたい。特に強調されるオニゲシとの相違点として、花色が真紅である。
花弁の基部に黒斑が生じる。
花弁のその下に俗にハカマと呼ばれる苞葉が生じる(本種の名の由来)。

といった特徴が挙げられているが、これらは野生株のオニゲシと比較した上での相違点であり、本来雑種である園芸用のオニゲシ(オリエンタルポピー)には同様の特徴を全て有する品種が存在することがわかっており、これらは種同定の決め手にはならない。苞葉については園芸用のオニゲシ(オリエンタルポピー)のそれは本種に比較し数が少ないとの報告もあるが、それだけでは素人には区別はまず無理である。

日本では、麻薬及び向精神薬取締法によりアサコカノキなどともに麻薬原料植物に指定されており、厚生労働大臣の許可を得ない栽培は禁止されている。しかし、広く一般に栽培されており全く問題のないとされている園芸用のオニゲシ(オリエンタルポピー)との区別は、専門家でも容易ではない。

また問題とされているテバインについても、品種によって本種以上にそれを含有する園芸用のオニゲシ(オリエンタルポピー)があることも報告されている。

イギリスなど、本種に栽培規制がかかっていない国から輸入された園芸用のオニゲシ(オリエンタルポピー)の種子袋にはよく本種が紛れ込んでいる。日本で仕分けした種子の袋にも本種が紛れ込んでいる場合がある。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


まるで無惨の血のような花。彼の血だって一種の麻薬のようなものだ。
一般に栽培が禁止されている花だとわかっていても、一度はその深紅の花を見てみたい。見るくらいなら罪には問われないだろう?


今日も風に揺らぎながら庭に咲く鬼罌粟の花――。年を経るごとにそれは大きな株となって、初夏に朱く大きな美しい花を咲かす。
咲いては散り次の季節まで眠るを繰り返す。まるでそれは、彼が真に望んだ「永遠の命」のように。

その花を見るたびに、私は妄想の沼に沈んでいく。

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