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マッチングアプリ

28歳・独身・女性。
久々にマッチングアプリをした。
理由は特にないけど、なんとなく新年に相応しく心機一転してみようと思っただけだ。
登録をして、「あ、この人いいな」と思ったらいいねを押して相手に自分の存在を知らせる。
お互いにいいねをするとメッセージが送り合えるという仕組みだ。
私は受け身で待っていて、いいねを貰った方の中から選ぶことにした。
どんな人からいいねをされたかをみるのが面白い。
自分の為人をプロフィールや写真で各々表現をしていく。
一番印象に残った人は実業家の方でカラオケの写真だったがマイクが札束だった。
なぜこの写真なのか、なぜ私にいいねをしてくれたのかはわからないが面倒そうだったのでスルーをした。

8時間後

飽きた


選んでいくうちに私はどんな人が好きなのかわからなくなり飽きてきた。
途中で自分に対していいねをする方はどんな年齢なのかスプレッドシートで管理を始めた。
平均で30.4歳、最年少は19歳、最年長は58歳だった。
20代後半は全体の45%と最も多く、同じくらいの年齢層を求めている傾向がわかった。
統計を始めるほど飽きてきたけど乗りかかった船だし、メッセージを交わしている人もいたのでやめるわけにはいかなかった。
その中で30代の方と会うことになった。
とりあえず会ってみようといわれて、私もダラダラメッセージを取り交わすのは好きではないので早めに結論を出すために合うことに。

「ランチでも一緒に」ということだったので、小さな町喫茶で待ち合わせをすることに。
はじめましてから始まり、今日寒いですね、朝晩なんて手足が冷えて仕方ないんですといった世間話を始めた。
なんだか話しやすい人だなと思っていると、話は家での過ごし方に変わっていった。
「料理をしますか?」と聞かれたので「自炊は毎日してます」と答えた。

そのあとのうれしそうな顔が忘れられない。

ああそうだ。長年恋愛に関わってなかったから忘れていたけど私は嫌いだったのだ。
この、人を見定める目。
家庭的で結婚に向いてそうな性質を見つける度にポイントを入れてるような目が嫌い。
「料理が好き」「自炊をする」「物持ちがいい方で持っている時計はもう6年ほど使っている」「趣味は読書」
話をするたびに「結婚に向いていそう」という笑顔と相槌。
その気持ちを感じた瞬間から一気に冷めてしまって、もう話もしたくなくなった。
心ここにあらず状態で話をして、食後のコーヒーを一気に飲んで仕事なのでと言って解散した(仕事は本当)

あわよくば恋人候補と思って会ったのに、勝手にがっかりしたこの気持ち。
「蛙化現象」みたいに、この微妙な気持ちにも早く名前がついてほしい。

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