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フォーク並び+コロナ対策の悲劇 割り込んできた人に怒鳴られた踏んだり蹴ったりな話

いつもと同じように

買いものに行った時の話です。
そのお店にはレジが2台あります。わたしがレジに向かうと、各レジにお客さんがいましたが、レジ待ちをしている人はいませんでした。
「ラッキー」そう思い、所定の位置で自分の順番が来るのを待ちました。

地獄の始まり

「すぐに順番がくる」そう思っていたわたしですが、なかなか順番はまわってきません。右のレジのお客さんは、かなり高齢な方でした。目当ての商品が見つからななかったようで、レジの店員さんが、3度商品を取りに走りましたが、「これではない」を繰り返していました。左のレジのお客さんは、「ポイントカードを忘れた」と駐車場に取りに行かれたようです。

殺伐とした世界

高齢者の多い地域柄、こういったことには耐性のあるわたしですが、さすがに、待たされすぎて、少しイライラしてくるの感じました。レジの店員さんたちも、イライラした様子でお互いに隣のレジの様子をうかがいだします。それに、わたしの背後に人が並びだした気配を感じます。レジの周辺は異様な空気に包まれていました。

一難去って

ポイントカードのお客さんが駐車場から帰ってきました。「ようやくレジが動きだす」わたしは喜びで涙がでそうになりました。しかし、それは、ほんの束の間の幸せだったのです。そこのお店には、買った商品を袋に詰める台がありません。店員さんが、その場でレジ袋やエコバックに詰めてあげるのですが、なぜか、店員さんは、そのお客さんの商品を詰めてあげませんでした。お客さんは、ゆっくりと商品をエコバックに詰め込みます。「あぁ、なんで入れてあげないの?」絶望しているわたしに、更に追い討ちをかける出来事が・・・

ここからが本当の地獄

絶望しているわたしの前を何かが横切りました。カートを押した年配の女性です。70前半くらいでしょうか。きれいな白髪はきちんとセットされ、細いフレームのメガネをかけた上品そうな女性です。その女性は、わたしの前を横切ると、なんと、左側のレジに並んでしまったのです。あっけにとられるわたし。

「できれば、トラブルは起こしたくない」そう思いました。見ず知らずの人を注意するなど、かなり勇気のいることです。しかし、わたしも、かなりの時間待たされています。それに、後ろに並んでいる人たちもいます。わたしは勇気をふりしぼって声をかけることにしました。下の図のように、並んでいる人は商品棚で見えませんし、その女性はフォーク並びを知らないだけかもしれないからです。


そのお店のレジ待ちの図


まさかの

わたしは女性に声をかけました。「あの、すみません、皆さん、こちらで並んでいるのですが」最初の一言は無視されました。離れていたので、聞こえなかっただけかもしれません。
2、3歩近づき再び同じように声をかけます。わたしが言い終わると同時に、事態に気付いた店員さんが声をかけます。「順番にご案内しますので、列にお並びください」

すると、女性はわたしと店員を交互に睨みつけ、こう言いました。
「そんなのわかってますよ。でも、こっちのレジが空いているから並んだだけなんですけど、ダメなんですかっ?」

衝撃を受けました。あの上品そうな女性が、先ほどとは別人のような鬼の形相で、大声を出したんですから。しかも、自分勝手な言い分で。わたしもすっかり頭に血がのぼり、また同じセリフで返します。「ですから、あちらで、皆さん、待っ」
途中まで言ったところで、女性が遮ります。
「だから〜、そんなのわかってるって言ってるでしょっ。こっちのレジが空いてるから並んだだけなんだから、ダメなら先に言いなさいよっ」
もう、この女性とは話になりません。

逃げる

その時、左のレジの最初のお客さんが、商品を入れ終え、その場を離れました。チャンス到来。こんな怖い人を相手にしてはいけない、逃げよう、そう思いました。注意したことで、逆恨みされる事件はたくさんあります。トラブル回避は重要です。
女性の横をすり抜け、わたしはレジの前に立ちました。怒りと恐怖で体が震えます。女性はわたしの背中に向かって、怒鳴り続けていました。
「それなら、そうと先に言いなさいよっ」
何度言っても聞きもしないくせに、全く意味がわかりません。店員さんは、異常な状態にオロオロしていました。
そして、わたしは震える手で会計を済ませました。

謎が解けた?

一刻を早く会計を済ませなくては、と、必死になっていて気づきませんでしたが、
いつの間にか、店内は静かになっていました。振り返っても、先ほどの女性はいません。怒って帰ったのでしょうか?店の出口で、もう一度店内を振り返ると、いました。図の右下のキレた丸のあたりに。


「あっ!」あの女性の姿を見た瞬間に、わたしは気づきました。もしかして、彼女は、わたしの後ろに人が並んでいることに、本当に、全く、気づいていなかったのでは。商品棚もあったし、コロナ対策で列も一人一人距離をとるようになっていたし・・・。わたし1人が右のレジに並んでいると思い込んで、自分は左側のレジに並んだ。ところが、右レジに並んでいた女が、左にいた自分の前に割り込もうとしている。そう彼女が感じたとしたら、あの激怒っぷりも納得がいきます。
想像でしかありませんが・・・

一瞬こちらを見た女性と目が合いましたが、すぐにそっぽを向かれてしまいました。気まづいんでしょうね。
勘違いは誰にでもあることですが、いきなり、見ず知らずの人を怒鳴り散らすのはいただけないと思います。今日は、わたしもカッカしてしまいましたが、もう少し冷静にいられるように精進しないといけないなと思いました。まぁ、腹も立ちましたが、いい勉強になりました。

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