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転売について考えてみた

東京都内ではマスクが手に入るようになってきた。企業が業種の垣根をこえて大量生産してくれたこと、政府の外出自粛要請、高額転売の禁止、アベノマスクの効果など全ての策が功を奏した結果だと思う。


マスクや医療品、衛生品を転売することの非道徳的な行動が社会に及ぼす影響を初めて目の当たりにした。

紙類は中国製が多いため中国の工場がストップするとトイレットペーパーなどが手に入らなくなると噂になって、すぐにスーパーやドラッグストアから衛生品が消えた。

これに関してはすぐにイトーヨーカドーや製紙会社が大量にストックがあることを映像で見せてくれ安心感を与えてくれた。

しかし人の心理とは不思議なもので、その事実を知っていても実際店頭に並んでいなければ不安になり探し求めてしまう。ちょうどなくなるタイミングに自宅になければ大変なことになるから当然の行動ともいえる。普段の消費スピードとは関係なく、また、大切な家族や友人は大丈夫だろうかと余分に買ったりもするのだろう。

一人一人の考えや行動が影響しあい、普通にあった日常をなくしてしまうというのはとても不思議な体験だった。



このような人の弱みにつけ込み混乱をきたすような転売については論外だが、転売はなぜいけないのかを考えてみた。

モノを安く仕入れ、付加価値をつけて高く販売するというのは商売の基本なのではないか?と思うからだ。

需要を見込み大量に仕入れ、機会を伺って一気に販売する。これに成功すれば本来なら商才があると言われるのではないだろうか。

また、メーカーや小売店としても作ったものが売れれば、その後どのような販売の仕方をされても関係がないのではないか。

感情や道徳心以外に何が問題なのかを考えてみた。


①値崩れを起こす

なんらかの情報を得て一時的なブームを予測している場合が多いため、供給が需要を上回ってきたときに値崩れを起こしてしまう。

売り抜けられる転売屋にとっては良いが、値崩れした後は在庫を売り切りたい転売屋が価格を下げていき市場価格は元の値段よりも安くなる。メーカーや小売店の正規の価格では売れなくなってしまう。


②本来欲しい人の手に渡らなくなる

これはコンサートなどのチケット転売の「ダフ屋」で考えると分かりやすい。座席という限りのある商品を業者が買い占めることで本来のファンがチケットを手に入れることができなくなる。どんなに高額でも欲しいという人も一定数おり、そういった人がいる限りは需要があるためダフ屋はいなくならないし、良い席はファン以外の人に買い占められてしまう。

本来普通に買えるはずのものが、誰かのお金儲けのためだけに使われてしまう。


③そもそも法律違反の可能性

物を仕入れ販売する際に必要な「古物商営業許可証」これを取得せずに営業した場合、無許可営業にあたり3年以下の懲役または100万円以下の罰金となる可能性があるらしい。

(詳しくは下記の法律事務所のサイトに書いてありました)

https://kanazawa.vbest.jp/columns/criminal/g_property/1341/


なるほど。

一人の利益のために困る人が多い

ただなんとなく転売ヤーを忌み嫌うことはしたくなかったが、困る人を想像することでやっとよくないことだと頭に刻み込めた。

メルカリやオークションサイトなど、個人が売買することが手軽で身近になった今、きちんと理解して選択するようにしたい。

また、噂や買い占め、風評被害など、身を持って感じた社会心理を心に留めて、非常時でも真実を見極める力を身に付けたい。