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0歳児とアート作品鑑賞

昨年のことなのだが、11月に双子(当時10ヵ月)を連れて念願の美術館デビュー!長崎県美術館でアート作品を鑑賞してきた。
かつて自身が美術館でアートエデュケーターとして働いていた頃より常々、赤ちゃん連れで作品を鑑賞してもらう機会をもっと作りたいなと思ってきたのだけれど、自ら母になり実践してみて、やはりとても楽しくて、それはそれは素敵な経験となった。

日曜日、朝の10:30頃、企画展「土地の名──土地と記憶をめぐる旅 長崎県美術館コレクションから」を鑑賞スタート。

まだ混雑していない時間帯ということもあり、他のお客様も少なめ。周りを気にすることなく過ごすことができ良かった。
ちなみに、ひとりをベビーカーに乗せ、もうひとりを抱っこしての鑑賞スタイルにて、展示室内での移動もゆとりある感じで楽しめた。
万が一泣いたら、一旦展示室の外に出てあやして再入場させてもらえたらいいかなぁという心持ちでいたが、美術館特有の静かで穏やかな雰囲気に影響されてか、双子も終始大人しく過ごすことができほっとひと安心。
企画展示室、常設展示室トータルで30分ほど。
キャプションを読み込むところまでは至らないものの(元々じっくり読むタイプではないので問題なし)、ゆっくり展示室内を歩いて、気になる作品を何点か重点的に。時折小さめの声で双子に話しかけながら鑑賞できた。

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写真は、企画展「土地の名──土地と記憶をめぐる旅 長崎県美術館コレクションから」

0歳児。絵画作品では、色が鮮やかなものに特に反応していたように思う。でも、何よりもよく見ていたのが高い天井についたたくさんの照明!
とりわけプロダクトデザイナー清水久和さんによるチューチューアイスをふんだんに使った照明《チューチューシャンデリア》には、本当に本当に見入っていた。

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写真:コレクション展「清水久和のデザイン」にて

さらに、隈研吾さんによる建築もまた、色々気になったようで、石のルーバーとか、それらが作りだす光と影、ガラスのエレベーターなんかもキョロキョロと。彼らにとっては、本当に目に映るものすべてが鑑賞・観察の対象なのだなと実感。そして、すべてが「刺激」であるのだと。

私も、双子育児でつかれた心がみるみる元気になっていくのを感じた。美しい線、形、色、エネルギー溢れるアーティストの視点で捉えられた世界に触れるだけで自然と元気が出てくるものなのだなと。

世間一般では「赤ちゃんにアート作品鑑賞はまだ早い」なんて思われていそうだけれど、そんなことは気にせずに、連れて行くことのできる大人がいるのなら、どんどん美術館に行ってみると良いのではないかと強く思った次第。次に行くのがまた楽しみ!

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コレクション展「清水久和のデザイン」にて