風速1mで体感1℃ダウンは本当か?
冬らしい、北風が身に染みる寒さになっています。
今日のような寒さを風冷え(かざびえ)と言い、テレビなどでは「風速1mで体感1℃ダウン」等と説明されます。
では秋で気温15℃、36mの暴風が吹いたとき、体感温度は-21℃でしょうか?皆さんも直感的にわかるように、答えはNOです。
風が体感に与える影響を数式化したものに、リンケの体感温度というものがあります。
体感温度=気温-4×√風速
つまり、√ルートが使われているので…
√1→1
√4→2
√9→3
√16→4
風速が大きくなるほど、風の体感温度への寄与度は下がっていきます。
さらに、√風速の値に4をかけ
風速1m→4×1℃ダウン
風速4m→4×2℃ダウン
風速9m→4×3℃ダウン
風速16m→4×4℃ダウン
風速1mにつき1℃ダウン、は、風速が16mのときにちょうどその通りになるようです。
ではテレビでは間違ったことを言っているのか?
確かにそうかもしれません。
他の人がどうかはわかりませんが、私はなるべく風速16mが瞬間値として予想される位の時に使うように心がけてはいます。
テレビはマスメディア。万人にわかりやすい説明をすることが第一とされているため、私自身この表現を使ってしまうことがあります。
そこでテレビ以外でこの事実を伝える手段はないかと考え、記事を書きました。
テレビで言われていることが全て真実ではない。その姿勢でテレビを見ていく必要があると思います。
私はテレビでも事実に近い、且つわかりやすい説明をできるよう、精進します。
気象予報士 千種ゆり子
【補記】リンケの体感温度自体も、全ての気温の時にあてはめようとすると何かおかしくなります。気温30℃で風速36mだったら6℃??
個人的には、気温が低いときにはリンケの式、高いときはミスナールが作った式がいいのではと思っています。ミスナールの式については、また夏にでも。
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