vol.1 野球初心者の私が野球というものに始めて触れた時は大学生の時だった

このシリーズは野球初心者の私が野球を熱く語れるようになり、野球のアナウンスから野球実況、コメントまで言える様になれる過程を描いた物である。ちなみにこの文章を執筆している現在(2021年3月)、まだまだ野球を語るには知らなすぎず、選手名を追うのですら精一杯である。そんな私が、いつか神宮球場で目の前の野球の試合について堂々と語れる様になりたい、いや、きっとなれるはずだ。それを信じて書いていく。

まずは私が野球を知り、好きになっていくきっかけとなったことからお話ししていこう。

野球というものは小さい頃から知っていた。私の家は読売新聞を取っていたため、ごくたまに読売新聞からの特典でジャイアンツのオレンジのタオルが家に届いていた。また、家が京王線沿いにあったので、読売ジャイアンツの球場である京王よみうりランド駅にジャイアンツの選手が練習している所を見るために家族と見に行ったりもした。

そんなこんなで、テレビで野球を見る時はなんとなくジャイアンツを応援していた私だったが、大学生になり、野球というものに生で触れる機会ができる様になった。

そう、私は明治大学に通っていたため、大学内で一番盛り上がるスポーツイベントは、東京を所在とした6校の大学の硬式野球部で構成された野球リーグである【六大学野球】であった。東京大学、慶應大学、早稲田大学、立教大学、法政大学ーそして明治大学。新入生歓迎の時期(俗に新歓と言う)から年中、昼休みの時間に明治大学の和泉校舎近くで応援合戦をやっていたもんだから、日々の生活の中で野球を身近に感じるようになった。

ある日のこと。私は明治大学のオープンキャンパススタッフとしても携わっていたのだが、その仲間同士で明治vs早稲田の試合を見に行こうじゃないかということになった。

早稲田大学、というか一般的に明治vs早稲田の試合は略して「早明戦(そうめいせん)」と呼ばれている。だがプライドがある我ら明治大学生は意地でも「明早戦(めいそうせん)」と呼んでいた。(ここでは明早戦と呼ばせていただこう。)そして、人気チケットはやはり明早戦であった。

よく、「早稲田大学を受けたけど落ちてしまい、滑り止めで受けた明治大学に受かったため、渋々明治大学に通うことにした」との話を聞く。だからこそ、落ちた大学、早稲田大学に対する対抗心がすごいので応援もより盛り上がるのだ。私は明治大学が第一志望であったから特段早稲田大学に対する対抗心は無いが、応援が面白いのと一番盛り上がる試合のため、出来れば明早戦に足を運びたかった。

初めての六大学野球の試合、明治対早稲田、会場は神宮球場であり、もう周りを見渡しても人、人、人!また明治大学のカラーが紫色であり、みんながみんな紫色のタオルをブンブン振り回しながら応援をしていた。

今は阪神タイガーズにいる高山選手は当時明治大学生であった。「高山ー!」と応援する声は他の選手より一際大きかった。また、私の周りで高山選手のファンがいたので、私が明治大学在籍中の時に覚えていた選手名は高山選手であった。

さて、話は少し脱線してしまったが、明早戦という野球の試合で特に面白かったのは応援だ。応援団長の合図とともに明治大学の応援歌を繰り広げる。時にはサンバを踊ったり、点数が取れるチャンスができた時限定のチャンステーマがあったり、とにかく応援が面白かった。

試合観戦は二の次で、第一は応援。神宮球場の液晶画面を見て、ピッチャーが投げたボールが、ストライクなのかボールなのかファールなのか判別していた。

そんなこんなで野球観戦というよりは、野球の応援にハマってしまった私。六大学野球の結果は常にチェックするようになったし、野球そのものにも興味を持つ様になった。

そして、次はプロ野球である。プロ野球を初めて観戦したのは大学2年生の秋頃、2015年だった。

私が所属するサークル内で、「特別乗車券が貰えるから駅員バイトをやろう!」という風潮が出来ていて、私含む5人がアルバイトで駅員をやっていた。特別乗車券とは定期券みたいなもので、働いている路線行き放題の乗車券を貰うことができた。私もそれ目当てで駅員のアルバイトを始めた時、一緒に働いていた人の中にヤクルトファンの方がいた。

ご縁がありその方々にヤルクトスワローズの試合を観に行かせてもらえた。実は私、中高一貫校で育ち、その社会科の先生の鈴木先生という人が大好きであった。ある噂によると、鈴木先生はヤクルトスワローズのファンであるということを聞きつけ、「じゃあわたしもヤクルトファンになろう」という、本当に安直な理由でヤクルトファンを名乗る様になった。恐らくであるが、当時バイト中に野球の話になり、私が以上の理由からヤクルトファンを名乗ったため、たまたまヤクルトファンの方々が「じゃあ一緒に試合に行ってみようよ!」となったのだと思う。

プロ野球の試合を観たのは初めてだった。18時から始まる球場は、夕日が落ちて赤色と黒色が混ざり合った様な独特のあの瞬間、そこから試合が始まる。私たちは食べ物と飲み物を用意し、私は神宮球場のスタッフから配られる応援歌付きのパンフレットに目を通した。

選手ごとに応援譜があるのが驚きだった。特に覚えやすかった選手の応援歌は、山田哲人と今はソフトバンクに在籍中のバレンティン、そして川端だった。

ヤクルトが点数を入れると、みんなが手持ちの傘をよいよい持ち上げる(特に対巨人戦なんかは一際声が大きくなってたり…(笑))。六大学野球と同じく、ストライクとボールの違いも判断できない私であったが、とにかく応援が楽しかったのと、2015年はヤクルトがリーグ優勝を果たした年でもあって、周りの応援の熱が本当にすごく、私が真のヤクルトファンになるのはすぐのことだった。ここから私は野球が興味ある、から好きになった。

そんな大学時代を送った私は、社会人2年目の冬、自分の人生を変えるであろうご縁に遭遇した。

(続く)

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