生きる意味や価値なんて案外単純だ、ということ。
昨日、大事に育てていた家族の一員、ハムスターのむぎが亡くなってしまった。今回の記事は、むぎに捧げるのと、生きる意味だったり価値を探し続けている全ての人に送りたい。
急いで会社を早退して家に帰った
だが、もう安らかに眠ってしまっていた。
ゴールデンハムスター、むぎちゃん。5月から一緒に暮らし始めて、まだ5ヶ月だった。
原因は室外に脱走してしまったことである。いつもは部屋を散歩させる時にベランダに続くドアが開いてないか確認するのだが、その日は確認が遅れてしまった。
散歩させてから10分、ふと『ドア開いてないよね?』とチェックしたら少しだけ開いていた。
開けた覚えはないし、誰かが開けたの?!と焦る気持ちを抑え、ドアを急いで閉めた。そして自室にいるかもしれないと期待を寄せ、隈無く探したが全く音がしない。
ベランダの向こう側は公園だった。万が一のことを思い、携帯のライトを照らしながら探したが見つからなかった。
その日はドアを閉め、自室にいる可能性を信じつつ、万が一のためにベランダにむぎがいつも寝ていた小屋と餌を置いた。
むぎが帰ってきた!
次の日、やはり自室にも外の小屋のなかにもむぎはいなかったので、会社に向かい、その後家に帰ってきた。
相変わらず部屋から物音がしなかったので、外の小屋を確認したら、なんとそこで眠っていた!!!
「むぎ!むぎ!大丈夫?!」と声を掛け、冷えきった身体を暖めた。かなり弱っているようで動きも鈍い。だが、ハムスターが外に散歩しに出ていってしまうとほぼ100%戻ってこないので、戻ってきたのは奇跡に近い。
少しは動けるようだ。足取りは覚束無いもののちゃんと歩けてる。
明日会社に行ったら、次の日休みだから朝イチで病院に連れていこう。その判断がいけなかったのかもしれない。もっと早めに連れていけば良かったと今更ながら思う。
ペットは家族なのかーー家族です
次の日、むぎの様子を見たら明らかに弱っていた。発見したときよりも衰えている。
もしかしたら部屋が寒かったのかも、と思いずっと暖めていたが一向に良くならない。でも、きっと大丈夫、明日まで生きてるかも、持ちこたえてくれる、そう思って会社に向かった。
だが仕事中も気になってしまってしょうがなかった。早く、早く、むぎ。病院に連れていかなきゃ…。
その日は仕事として一日中宅地建物取引士の講座を受けていた。16時から20時までは各自自習の時間である。
そこでどうしてもむぎが気になってしまった。
上司に相談した。
「社会人として、ペットが危篤状態の時でも仕事を優先させるべきでしょうか…。あくまでも意見として聞きたいです。」
そしたら上司は悟ってくれたのか、こう話してくれた。
「社会人としては仕事を優先させるべきだと思う。けど、【人として】はどうだろう?」
「俺がお前くらいの時だったら仕事を優先していた。そういう時代だったからね。でも今だったらどうだろう。時代も変わってきていて、ペットも家族の一員という流れもできているしね。」
悩みに悩んだが、そんな私を後押ししてくれた。そこで感謝しつつ早退して急いで家に向かった。
社会人としての立場、そして人としての立場。両方を教えてくれ、人としてやるべきこと、それを教えてくれた上司に感謝する。
突然の別れはいつでも目の前にある
結果は前述した通りである。
むぎに「外に出たのによく家に帰って来てくれたね、ありがとね。大好きだよ。」とい想いを伝え続けた。
沢山の想い出をありがとうーー感謝を込めて埋葬させて頂いた。
批判は承知の上である。私が全て悪いのだ。
何故ドアを確認しなかったのか、何故むぎから目を離していたのか、何故すぐ病院に連れていかなかったのか、会社休んででも連れていくべきだった。後悔しかない。
だけど、むぎに出会って、むぎと密度の濃い時間を過ごして、分かったことがある。それを伝えていきたい。
この世は諸行無常だ
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。
『平家物語』第一巻「祇園精舎」より
【現代語訳】
祇園精舎の鐘の音は、「諸行無常」、つまりこの世のすべては絶えず変化していくものだという響きが含まれている。沙羅双樹の花の色は、どんなに勢い盛んな者も必ず衰えるという道理を示している。世に栄えて得意になっている者がいても、その栄華は長く続くものではなく、まるで覚めやすい春の夜の夢のようだ。勢いが盛んな者も結局は滅亡してしまうような、風の前の塵と同じである。
引用:https://pdmagazine.jp/works/heike-monogatari/より
この世に存在する全ての物事は、同じ状態を保つことなく、移り変わり、永久など存在しない。
つまり、全ても物はいつか、変わり、壊れ、無くなるのだ。だが、それと同時に形は変わっても続いていく。
どういうことかというと、【物】は変わっていくが、逆に永遠に続いていくものもあるのだ。それは何かーー【心】である。
永遠に生き続ける、生き続けさせる方法とは
沢山の愛情、癒し、安らぎ、想い出ーーそれらは永遠に続いていくし波及していくし際限がない。
肉体はいつか滅びる。なぜって、それは【物】、入れ物に過ぎない。でも、でも、今もむぎは私の中で生きている。なぜなら【心】をくれたから。
そしてずっと生き続ける方法は、想い出すこと、語り継ぐこと。それのみであると考える。
生きる意味と価値
また、永遠に生き続けること、それができた時点で人生は成功だ。
私の伝いたいことが、全てこの歌に集約されているからぜひ聴いてみてほしい。
高橋優 『旅人』
特に、Cメロの
【いつか忘れられるなら
生きてく意味なんてないよと
聞こえてる 声が聞こえてくるけど
君が見つけて温もりを
誰かに届けられる時が
来るのなら いつか来るのなら】
みんな、温もりや愛情を伝えていくために生きているのだ。
そしてそれを伝え続けていくこと、人の心に残すこと、それが人生の生きる意味や価値なんじゃないか。どれだけ伝えたか、それが価値にも繋がるのだと思う。
これは全ての人にも繋がる。
今、学校の人間関係だったり成績で悩んでる人。その経験を伝えていく、同じような人に救いを差し伸べてほしい。
今仕事をしている人。なんのために働いてるか分からなくなる時もある。それこそ、代わりは沢山いるから自分は存在意義もない、いなくなっても良い存在なんだ。
これに関しては私もしょっちゅう悩んでいる。なんでこの仕事してるんだろ、とか意味ない仕事だなぁとか。
まず、その仕事が誰かに【心を伝えているものなのか】を考えてほしい。人生の生きる意味は心を残すことだ。残し続けることだ。伝え続けていくことだ。それを考えてみたときに、生きる意味や価値に反していたら辞めていいと思う。絶対あなたが心を伝え続けられる場所は存在するはずだ。
また、岸見 一郎,古賀 史健作『嫌われる勇気』という本がある。アドラー心理学を研究した人が書いた本だが、その中の一説に、
刹那としての「いま、ここ」を真剣に踊り、真剣に生きましょう。過去も見ないし、未来も見ない。完結した刹那を、ダンスするように生きるのです。誰かと競争する必要も無く、目的地もいりません。踊っていれば、どこかにたどり着くでしょう。
という文がある。
アドラー心理学では、フロイトの『トラウマ』を否定し、過去も未来も見るのではなく、今この瞬間を生きるべきだと説いているのだ。
私は、輝かしい未来を夢見て、『今が耐え時だ!踏ん張れ!』と今この瞬間を省みず未来ばっかり先行していた。
日本での2018年の交通事故死亡者発生数は10/10までで2562人であり日割り計算すると1日に9人亡くなっている。
いつでも、誰でもこの瞬間に死んでしまうリスクを孕んでいるのだ。
今を生きず、今死んだとしたら私は後悔しないだろうか…?
むぎも突然死んでしまった。
私は自分の不甲斐なさに後悔ばっかりだった。でも、愛情は沢山伝えたから、そこだけは後悔していない。
むぎの死を見て、よりいっそう未来を今後私が生きている保障はないのだな、この瞬間に消えてしまうかもしれないと思ってしまうようになった。
だからこそ、今を生きたい。そして、むぎの生きられなかった分、私も精一杯生きていく。
そしてむぎが伝えてくれたように、私も愛情や安らぎ、癒し、生きる希望だったり、様々な正の感情を伝え続けていく。それが生きる意味や価値だと思うから。
『人に伝え続けていく』というのも私の今後のキーワードになるかもしれないな。
最後に
むぎの死から気付いたこと、伝えたいことはこの2点である。
【人生の生きる意味や価値は、心を残し続けていくこと】
【今を生きるということ】
むぎは2018年10月12日に亡くなってしまったが、私の心の中では生き続けている。
私はむぎからもらった心を想い出し、伝え続けていこう。
ありがとう、むぎ!また一緒に遊ぼう☺️
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