40 『百億の昼と千億の夜』から「と」を取りたい
光瀬龍の代表作とされる『百億の昼と千億の夜』は萩尾望都によってマンガ化もされていて、かなり名の知れた作品である。
しかし、この作品の本当のタイトルは『百億の昼、千億の夜』なのだ。「と」はいらない。代わりに読点が入らなくてはならない。
光瀬龍がつけたタイトル『百億の昼、千億の夜』を、編集者が作者に無断で改変したことは、既に指摘されているし(立川ゆかり『夢をのみ 日本SFの金字塔・光瀬龍』469頁)、その編集者自身の証言もある。にもかかわらず、タイトルは無断改変された時の