心の成長ってある?

先日、友人が「私、全然、精神年齢が成長しないのよね」とこぼした。そこで私がすかさず、こう反応した、「私、生まれた時から今日まで、全く精神年齢、変わっていない自信がある!」と。

子供の頃、周りの人から「しっかりしてる」「大人っぽい」と言われていた。それは、物怖じせずはっきり物事を言ったり、大勢の前で立たされても、緊張や動揺している様子が見られないからだった。自分自身はどうだったか。周りの同級生達を見て、「ねえ、それの何が楽しいの?何で毎日そんなに悩みがなく、無邪気にしてられるの?」と、冷ややかな目で見ていた。先生などの大人に対しても、「何言ってるの、この人?」と、さすがに口はしなかったが、斜に構えていた。逆の言い方をすれば「子供らしくない子」「大人を子バカにしているような子」だった。

それが20歳を過ぎ、働くようになってから、自分の周りに「大人」しかいない状況なり、周りとの精神的なギャップに悩むことが少なくなった。ちょっと背伸びしている感じもあったが、30歳前後の先輩たちとコミュニケーションが楽しかった。

30歳半ばを過ぎると、周りの人から、「もっと大人になって割り切れ」「好き嫌いがはっきりしている」と、批判的な声が増えてきた。そしてアラフィフの今、「青臭いを言っているんだ」と言われることもしばしば。私が「生きずらさ」を感じなかった期間が極めて短い。

実は精神的なことだけでなく、見た目も同様のことが起きている。子供の頃は、実年齢よりも上に見られ、30歳半ばから、実年齢よりも下に見られるようになった。

以上のことを分析するから、私の精神年齢は、実年齢がだいたい重なっていた「20代半ば~30歳ぐらい」で、生きずらさを感じにくかった。そして、その精神年齢と実年齢との差が大きくなるにつれ、生きづらさが増す。そっか、それが原因だったんだ。

売り上げや株価のように、人は、右肩上がりのカーブを描く成長を期待される。肉体と精神の年齢が、同じペースで右肩上がりのカーブを描きながら、目まぐるしい変化の多い世の中で、柔軟にスイスイ泳いで渡れたら、悩みは少ないのかもしれない。それと真逆で、まるで北極星のように、基本的に位置が変わらない私は、変化する世の中から、私の見られ方だけが常に変化しているように思う。

友人は言った「その、ブレないところが凄い」と。私は変われないし、変わらないのだ。それを受け入れるところから、始めよう。

「人生経験の引き出し」がいっぱいあります。何か悩み解決のヒントになる話が提供できるかもしれません。