枯れた薔薇
私は花が好きだ。
綺麗で凛としている花が好きだ。
特に薔薇は、真っ直ぐ伸びていて強く美しい。
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しかし花は枯れる。思っているよりも早くに枯れてしまう。
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枯れてしまった花はどうなるのだろう。
咲くまでは観察した事があるけれど、枯れてからは観察した事がない。
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そこで薔薇の時期が過ぎた6月末に、岐阜県にある花フェスタ記念公園というところへ行ってきた。
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今回、満開の時期が過ぎた薔薇園に行って感じたのは、枯れた花は奇妙だなあ。ということ。
ところどころ萼が残っていたり、花びらが残っていたり、面影はあるものの、
ぱっと見では花とわからないような形をしている。
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綺麗だった花びらはもう無い。
地面にも落ちていないし、なんなら花びらが付いていたかさえも疑いたくなるほどだった。
どこに行ったのだろう。
風に飛ばされたのだろうか。
それとも土に還ったのだろうか。
私にはわからない。
不思議だ。
面白いな。
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咲いているときの凛とした美しさは、もちろん魅力的だけれど、
枯れていくときの奇妙さが、とても魅力的だと思った。
ただ私が枯れていく花を見たという経験が少ないからなのかもしれないけれど、
枯れていくことを受け入れているようなかんじがした。
引き際が美しい。
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そしてこの引き際こそ大切なのだろう。
そんな気がする。
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