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愛くるしい玉の話

私は、昨年から保護猫と暮らしている。
男猫で、名前はジャズだ。
とんでもなくやんちゃだが、家族全員溺愛している。

皆さんは、猫の金玉をみたことありますか?

私は、ジャズの金玉を見たときに
あまりの可愛さに悶絶した。

実家に、私が中学の時に家族になった愛する男犬(♂♀は使わない謎のこだわりがある。※つんく♂は除く)がいるのだが、彼の金玉は、なんというか金玉感がないというか、丸くない。玉ではないのだ。(現在、去勢済み)

対して、ジャズの金玉は
まるでちいさなビワのようで愛らしく可愛い。
調べたところ、猫の金玉の大きさには個人差があるがみんな丸くて本当に愛くるしい。
にゃんたまとも呼ばれているようだ。
是非、みなさんもググっていただきたい!

私は、ジャズが去勢するまでの数ヶ月
体が疲れた日や、心が疲れた日の夜に
ジャズの金玉を眺めることで、負を打ち消し
明日へのパワーをジャズの金玉から得ていた。
おそらく、生命力とか繁栄力とか
なんらかのパワーが出ていたのだと思う。

しかし、ジャズが8ヶ月になった頃
去勢をすることになった。

動物病院で医師から説明を受けている間
ふつふつと寂しさが込み上げてきた。
たかだか猫の金玉と思う人もいるかもしれない
しかし、この数ヶ月間私の精神を支えたのは
紛れもなく猫の金玉だったからだ。
淡々と先生の説明が終わった後

「睾丸を持って帰ることは可能でしょうか?」
つい心の声が出てきてしまった。

一息ついて、先生が

「やめておいた方がいいと思いますが。」

ああまぁ、そうだよな。
衛生的に持ちかえる事は良くないだろうし。
KABA.ちゃんは、自分のペニスを
ホルマリンに浸けて冷蔵庫にしまっていたから
持って帰れるかも!と淡い期待していたけど
KABA.ちゃんとジャズは違う。
ちなみに、KABA.ちゃんが女性器の形を
明石家さんまさんに選んでもらった話結構好き。
さんまさんは、どういう気持ちで選んだんだろうって色々想像できるから

私はジャズの金玉を持ち帰る事を、諦めた。

ジャズの金玉を眺めながら
さようならありがとう。と、心の中で呟き
ジャズの無事を祈り、病院を後にした。

家に帰ってからも、考えるはジャズとジャズの金玉のことばかり。
夕食の準備で卵を割ると双子卵だった。
きっとサヨナラを伝えにきたのだろう。

と、そんなエピソードあったらいいけど
都合よく双子卵は私に回ってこなかった。

翌朝、娘とジャズを迎えに行った。
ケージに入れられ怯えた表情でこちらを見るジャズ。

「やなぎさん、ちょっと」
看護師さんに呼ばれて、受付の方へ行くと

小皿にのった、ジャズの金玉があった。

皮がないが、まぎれもなくジャズの金玉だ!
ハァッッ 心の声が漏れそうになった。
ジャズから切り取られた金玉は、姿を変えても
私にパワーをくれた。 

小皿にのった金玉は、光を放ち
私の寂しさを必死にあたためてくれた。

「写真を撮っていいですか」
「どうぞ」

私は、小皿にのった金玉の写真を撮り
ジャズを受け取り、帰ろうとした。
帰って、ジャズの金玉の絵を描きたかった。
光を放っていた、本当の金の玉を、描きたかった。

「ありがとうございました!」
病院を颯爽と去ろうとした。
早く、金玉の絵を描くんだ!!



「やなぎさん、すみません!💦」

😨

ジャズの金玉で頭がいっぱいでお会計を忘れていた。

去勢手術は、一万三千円だった。








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