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シャニアニは私を殺せない

音楽でも漫画でも小説でもアニメでも、だいたい印象に残る作品というものは自分の心のどこかに傷をつける作品だと考えている。それを踏まえて述べると、現在放送中であるシャニマスのアニメ(以下シャニアニ)は何も私にダメージを与えない、無味無臭の作品といえる。まだ3話までしか放送されておらず、結論付けるには時期尚早と思われるかもしれないが、最後まで観た後自身の気持ちに変化はあるか振り返るためにもこれを書き記す。

正直1話からきつかった。薄味すぎるプロデューサー、ポエムしか吐かないキャラクター達、古臭い3Dモデルなど、気になった点を挙げたらきりがない。私が信じ、愛していたシャニマスの世界はこんなしょうもないものだったのか?配信者の湿った性欲にまみれたチャット欄から見ているような気がして、とにかく誰かに懺悔したい気持ちでいっぱいになった。
声優の微妙な演技(声が原作の中央値と離れている)はこういうコンテンツにはよくあることなのでそこまで気にならなかったが、問題は謎ポエムが2話、3話と進んでも頻繁に出てくる点だ。

キャラクターがモノローグを話す場面というのは、うまくいけば作品の世界観に深みを持たせ、キャラクターに感情移入しやすくなる。他作品を上げて批判したくはないので例は提示しないが、私はモノローグをうまく使った作品をたくさん見てきた。

しかし、シャニアニのポエムは唐突だ。世界観もよく開示されず、そもそもキャラの顔面アップがやたら多いため、背景から得られる情報も少ない。そのため、「お前、誰だよ、そんなこと思ってるの?ならさっきまでの行動は何だったの?」と疑問に感じてしまい、そのせいでどのようにこのアニメを見ればよいのか分からなくなるのである。
キャラクターが常に最適解で行動しなければ怒る人というのは多くいるが、そうではなく、シャニアニのキャラクターは総じてポエムを吐くときだけ別キャラに乗り移っているのである。だから、話が頭に入ってこない。キャラクターに感情移入できない。

私は解釈違いでただ悶えているだけかもしれない。実際問題、美少女コンテンツはどこまでいっても欲求の捌け口かもしれない。
だからこそ、私はそこに光を見出したい。そして、反芻することで行き詰まりを感じて、悩んで前に進みたいのである。シャニアニにはそれがない。だから私を殺すことが出来ない。お願いだから私をもっと傷つけてくれ。夢も希望も現実もないアニメなんて、救えないし救われない。運命論で作られた空気のようなアニメを、私は受け入れるだけの屈強な精神を持ち合わせてはいない。

追記 
今のところ今季一番おもろいアニメはガールズバンドクライと終末トレイン


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