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ラップランドの思い出 / design story

design story ではこれまで自分がデザインしてきたものを振り返って、
インスピレーションの元になっているものや、制作のプロセスなどを思い出しながら書いていきたいと思っています。

一回目はnoteのトップ画像にもしているLAPLAND(SNIP SNAPシリーズ)の柄について。

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私は生地の柄を考える時、実際に自分が見てきた景色や、体験したこと、聞いたことをよくモチーフにします。このLAPLANDもそう。冬景色が広がるこの柄のインスピレーションの元になっているのは、フィンランド留学時代の学生旅行です。今から8年前。時間が経つのが早いような遅いような…たくさん残っている思い出の写真たちとともに少し紹介したいと思います。

2012年の8月の終わり頃から3月まで、私はフィンランドのヘルシンキにあるアアルト大学に交換留学していました。その年の12月に、友人と一緒に学生バスツアーに参加しました。そのバスツアーはたしか、クリスマスの時期に町中のお店が閉まってしまいやることがなくなる留学生たちのためのものだったような。(フィンランドの人たちはクリスマスは家族で過ごします)その行き先がラップランドでした。

ラップランドはフィンランド・スウェーデン・ノルウェー・ロシアにまたがるスカンジナビア半島北部のあたり。夏は一日中太陽が出ている”白夜”で有名ですが、冬はその真逆です。マイナス20~30度の日が昇らない世界ということで、とても暗い(辛い)イメージをしていたのですが、実際はちょっと違いました。日中はほんのり明るいブルーで覆われていて、どこもライトはぼんやりピンクがかっていて。映画の中にいるような不思議な世界が広がっていました。

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下の写真に写っているのは北極海。ちなみにこれも日中の様子です。この記事を書こうと思って、写真を頼りに地名をGoogle mapで調べてみたらずっとフィンランドだと思い込んでいたこの場所はぎりぎりノルウェーでした。ブゴイネスというカニ漁が盛んな小さな町です。

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学生旅行はとてもアクティブ。犬ぞりをしたり、ワカサギ釣りをしたり、トナカイぞりをしたり、焚き火をしたり、かまくらをつくったり…たくさんあそびました。夜にはオーロラも!

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そしてこれはとても思い出深いサウナ。
世界最北端にあると言われているサウナで、温まった後は水着で飛び出し目の前の北極海で泳いでクールダウンする(!)というワイルドな場所でした。

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ちなみにそのサウナ小屋、更衣室も斬新でした。男子更衣室は向かって左側。木の柵が目隠し程度についています。つまり外です。マイナス20度の世界なのに…
女子更衣室は右側の入り口から入る室内でしたがサウナの入り口が直結しているため、みんなそこを通り抜けます。更衣室の意味は…

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更衣室の中の様子。小枝がコートハンガーになっていてかわいかった。

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サウナの様子。みんな水着になって上下二段でぎゅーぎゅーに座ります。

サウナで温まるとはいえ、外はマイナス20度の雪景色です。
確かに外に出た瞬間は外気が気持ち良い!と思いましたがさすがに北極海は無理。私は膝くらいまでしか入れませんでした。しかし波打ち際でみんなが騒いでいる中、強者がひとり…
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オーストラリアから来たその女の子はなんとクロールで沖までぐんぐん泳いでいってしまいました…

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この泳いでいる女の子はその思い出が元になっています。

ちなみに泳いでいる人たちの右上に描かれているのは下の写真の場所。帰りがけに通ったスキー場?で、誰もいないのにソリがたくさん散らばっていて、みんな片付けなかったのかなあと妙に記憶に残った場所です。

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ラップランドでたくさんあそんだ思い出は、ほとんどそのまま生地の柄になっています。

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留学中はいつもノートとペンとカメラを持ち歩いて日々見て気になるものをひたすら記録していました。そのおかげで忘れっぽい私でも当時のことをポツポツ思い出せるのでやっておいて本当によかったなあと思います。

実は留学以来まだ一度も再訪できていないフィンランド。次は仕事で行きたい!と思っていたのですが機会は全然訪れず、、、
今年になってやっとチャンスがありそうだったのですが、この状況で見送ることに。

次行く時は夏の白夜を経験してみたいな。そしたらまた新しい生地をつくりたいです。



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でも、極夜もきれいだったな。最後にお気に入りのガソリンスタンドの写真を。









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