見出し画像

徴用兵のバラック:パンもお湯もなく、汚く、南京虫のいるところ

ロシアの独立系メディアVerstka 10/6/2022の記事をクリス・オーウェン(@ChrisO_wiki)がツイッターで分かりやすく英語訳していたものを紹介します。

動員されたばかりのロシア軍の兵舎や仮設住宅での生活はどのようなものだろうか。暖房なし、食料なし、寝袋なし、お湯なし、トイレなし、凍えるテント、南京虫が湧いたマットレス、トレーニングなしと、どう考えてもひどい状態だ。

タタールスタンの訓練センターの軍用テント。 写真提供:動員された兵士のお姉

ロシアの独立系メディア「Verstka」は、ロシア中西部の2大都市、ウファとチェリャビンスクの動員男性の体験談を紹介している。ある動員されたセミョーンという男の家族は、彼の戦争装備のために約4万ルーブル(625ドル)を費やした。

エカテリンブルク近郊のエラニにある訓練所に、セミョーンら同郷の男達が送られた。ベッドは足りないし、食べ物もない。家族には、「動員兵達が持ってきた食糧だけだ」と彼は語った。

食料を多く持っている者は腹を空かしていた者に分け与えた。「2日間、乾物もパンも配給されなかった。意味が分からない」とセミョーンは言った。その後、ロストフに運ばれたが、そこにもまだ食料はなかった。

彼らは何の訓練も受けず、そのままウクライナのルハンスクに送られることを告げられた。セミョーンは上官に戦術用手袋と狩猟用ナイフを要求した。しかし、渡されたナイフは刃がボロボロだった。

2日後、彼らはルハンスクに連れて行かれたが、ここでも食料はなかった。セミョーンは親戚に連絡し、自分の食料を買うために4,000ルーブル(63ドル)を送ってくれるように頼んだ。

別の兵士は、サラトフ州のポポフカ村の近くの別の軍事キャンプに行き着きいた。初日、動員された兵士達は、指揮官が彼らをどうするか決める間、土砂降りの雨の中、パレード用グランドに数時間立たされた。

濡れた兵士はバラックに割り当てられたが、ストーブがないので服を乾かすことができず、濡れた服のまま歩き回った。シャワーも風呂もお湯もない。バラックのトイレも使えない。

寝袋もなく、南京虫が這い回る古くて汚いマットレスで寝た。

サラトフ州のドゥブキにある別の動員キャンプでは、ほとんどの日に少なくとも1日3食の食事が与えられていた。例外は、新兵の部隊配属の日で、その日はパレード用のグランドで何時間も立ちっぱなしで、昼食は抜きとなる。

バシコルトスタン州ウファのある兵士によると、指揮官が興味を示したのは、ロシア軍が人手不足に直面していることを示すと思われる3つの軍事専門分野、すなわち水兵、信号手、砲手だけだったと思う。

動員された男達は、寝袋を与えられず、外着のままマットレスで寝ていると言う。各部屋に30人ずつ収容され、シャワーも風呂もお湯もないので、冷たい水で体を洗う。

タタルスタンの別の動員キャンプでは、男性達は大きな軍用テントで屋外生活をしていると言う。寝袋もマットレスも与えられていない。小さな鍋敷きのストーブで暖をとり、木製の床の上にアウターウェアで寝る。

オムスク近郊のユグラにある動員キャンプの映像にも、非常によく似た状況が映っている。ビデオの音声によると、彼らは制服やマットレスなど何も与えられていないため、生きるために他の人から盗まなければならないそうだ。

ツイートへのリンク(動画あり)

彼らはほとんど、あるいは全く訓練を受けていない。チェリャビンスク出身のセミョーンは、何の訓練も受けずにすぐにルハンスクに送られた。ウファのマリアは、夫のグループは「時間を浪費しているだけ」と言う。部隊の領内を歩き回り、休んでいる。何の指導も受けなかった。」

彼らは、自分達の将来について暗中模索していると言う。バシコルトスタンのあるグループは、アサルトライフルを与えられたが、使い方を教えられていない。「誰も何も説明してくれない」と妻は言う。

ある妻は、バシコルトスタンのトップ、ラディ・カビロフのSNSに、男性達がひどい扱いを受けているとの苦情を投稿した。彼女は「泣き言を言っている」「泣き叫んでいる」と言われたそうだ。当局は、動員された者達には「必要なものは全て提供されている」としている。

(そして、この全てが、彼らがウクライナの冬の塹壕で経験するものよりも、はるかに良いものである可能性が高いことを忘れないでください)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?