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わたしは、遺伝子まで知りたかった

遺伝子検査を受けますか。
こんな質問を受けたことがある人は少なからずいるだろう。

遺伝子検査は陽性でした、と話すヒロササさんは、乳がんの病理結果ではトリプルネガティブ。その彼女が下した決意は、「ガンになる可能性のある部分を全て取る」ということ。遺伝子検査を受ければ、結果次第では、自分の家族のこともあるし、知らぬが仏ということもある。


そんな彼女からは、遺伝子はどう足掻いても変わらない、もう一生変わることがない、それなら、子供にも影響はあるが、知りたいと迷わず、答えが出せたという。
その強い気持ちの裏には、当初授乳している時に受けた初めての乳がん検査で良性という診断、その診断が納得できず、3ヶ月後再度自ら検査して、結局最終的には悪性のガンだった。知らなかった悔しさを痛感した。子供にも知らなかったという悔しい思いにならないようと彼女の行動は早かった。

2019年7月健康診断で精密検査になり、しこりが見つかる、その後は入院・手術をし、トリプルネガティブと診断されるも、術後にも経口抗がん剤治療を始め、2020年11月遺伝子検査を行い、陽性の検査結果だったため、2021年3月にもう一つの胸と卵巣、卵管の切除手術を行った。しこりが見つかって2年以内でガンとの向き合い方のスピードがこんなに早い人はササヒロさんが私は初めてである。

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2人目の妊娠当時のことを思い出した。
まだ幼い長男もいたこともあり、妊娠していると健康診断にも制限がかかるし、定期的に産婦人科でも検診をしているしと、自分のことが後回しになる時期、彼女はその年だけ、近くの病院で最低限の健康診断をし、乳がん検診は触診のみ、そこでは何も見つからなかった。お腹の子供の健康は心配、上の子の風邪や予防接種など、ママは自分の時間なんてない。そうじゃなくても妊娠中は、つわりもあれば、マイナートラブルも起きる、彼女の場合は妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、数週が早い段階で、切迫早産の可能性があると産婦人科で言われた。余裕のない妊娠生活を過ごすことになっていた。

彼女の判断は正しかった。良性の腫瘍と診断されてから、数ヶ月後、授乳を中断。
授乳中はおっぱいが母乳を出すので、胸が張る。そのため、しこりが見つかりにくいという現象が起こる。授乳をやめて張った胸をほぐしてもらうために、おっぱいマッサージへ行くと、彼女のしこりがあらわになった、良性の時は丸く写っていたしこりが、マッサージ後、ギザギザと形状が変わっているのが見え、ガンの進行の早さを体感したのは、わずか腫瘍は良性と言われた3ヶ月後のことであった。

様々な結果を受け入れてきた彼女だが、今できる全てのことをやりたいと治療や手術も積極的に行った。そこには家族のためという気持ちがある。ランドセルを背負う息子の姿を見たい。
普通にできていたことが、夢に変わる。生きていこうと決意して、一日一日積み重ねてきたら、もう長男の息子も来年4月に小学生、また一つ夢を叶えるため、最近息子のランドセルが届いた。自分の人生がこんな風に幸せを感じることになるとは、想像もしていなかった。

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そんな彼女は、現在がんママサークル『Sunny Mommy』を運営中。
snsに出てこないガン患者さんと繋がりたいと、病院へ張り紙をしたり、NPO法人の方にお願いしたりとメンバーの増やし方にも工夫をしている。乳がんだけではなく、様々なガンの方との交流を今後目指している。メンバーの年齢も幅広い、年齢が違えば、悩む内容も異なる。そんな彼女の活動はさらにこれから大きくなるのだろうと、そこでこれから多くの女性が助け合う場になるだろうと確信をしている。

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今回は、ママサークル運営のヒロササさんのお話でした。

ヒロササさんのお話を聞いて、妊娠中、授乳中のガン検診を簡単にスルーしているママが世の中に多いと気付かされた。当時、私も子供健康だけを気にして子育てをしていたことを思い出した。ただ産婦人科も数が減少していることもあり、やれることは限られている、妊娠中、授乳中は胸が張り、なかなか触診も難しい、本当にここに関しては、〜ながらで早期発見に繋がる仕組みを作りたいと感じている。
これからのササヒロさんの活動に期待ができる。

最後まで、読んで頂き、ありがとうございました。


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