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「終息」と「収束」

ネオン街が恋しくなって久しい。

この事態はさて「終息」なのかそれとも「収束」なのか。読み方はどちらも「しゅうそく」だ。

結論としてはどちらを使ってもおかしくないのだが、せっかくだから弄り倒してみる。こうしてどちらでも構わないような日本語をしばき倒すくらいしか、今出来ることがないだけだ。

終息

事がおわって、おさまること。終止。「内乱が―する」

収束

1 分裂・混乱していたものが、まとまって収まりがつくこと。また、収まりをつけること。「事態の収束を図る」「争議が収束する」
2 数学で、ある値に限りなく近づくこと。収斂 (しゅうれん) 。⇔発散。
㋐ある無限数列が、ある値にいくらでも近づくこと。
㋑数列の項が、ある値に限りなく近づくこと。 ㋒級数の途中までの和が、ある値にいくらでも近い値をとること。
3 多くの光線が一点に集まること。収斂。集束。
4 海洋学で、流線が周囲から一点に向かって集まること。収斂。

収束は本来は理系の用語なので、広辞苑には2.の意味で掲載されています。今回の事態は1.の意味。

どちらも、今回のウイルスの話でいうと「おさまる」という意味を持つ単語なので、どちらを使っても間違いではないことがわかります。

ただ、使い分けはした方が良さそうです。

—-以下引用
「終息」は「完全制圧」であるのに対して、「収束」の場合には、ほぼ事態が収まっていることを意味します
—-引用終わり

つまり「感染は収束に向かっている」とは書けても「ウイルスに対して終息宣言が出された」と書いた方が良さそうな感じです。

収束させつつ、終息を目指す。収束しているのならば仕事に行かねばならないが、友人に会うのは終息してからにしたい。とか。


私は専ら「終息」を使っています。会いたい人とハグしたいもの。


2020.05.05.