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推しが日本代表戦に出場した件

これは…夢?それとも私はもう死んでるの???

Luke Evans選手がエヴァンスルーク選手としてアカツキジャパンのユニフォームを着てプレーしてる…。こんなことってある?夢?夢?あれでもご飯に味がある。死後の世界かと思った。そりゃあ、そりゃね、ずっと前からおばさんは夢見てたんだけどさ。

4年前の私は呑気なものだ。もちろんルークさんは帰化しているわけでもない。どのタイミングで何の話なのかは忘れたけれど、話題が彼の話であったことはいいね欄が記憶してくれている。昔からマメだよね。

いる…いるわ…土曜の試合のロスターに残ったわあ…。感慨深いものがあります。だって、決して順風満帆といえるキャリアではないから。それは前もnoteに書いたし、今回の選出に至っては、名だたる帰化選手には事情があったみたいだし。

「帰化選手もギャビン(エドワーズ)、ニック(ファジーカス)、(ライアン)ロシターといろいろ話しました。ギャビンも五輪が終わってから気持ちがちょっと足りない。ロシターも五輪に出られなかったことで今は代表へのモチベーションが足りないみたいです。ニックは36歳で足が痛いから今回は休憩したい。帰化選手はそもそも少ない中、今はエヴァンスが頑張っています。背は少し小さいけど3ポイントもあるし本当に真面目な選手です」
気持ちなら、あるよ。

と、言うわけでルークさんに白羽の矢が立ったわけなので、色々なタイミングに大感謝。やる気ならあります。モチベーション?いつも高いです!!!

そして、ホーバスHCがルークさんの存在と努力に気づいてくれて、本当にありがとうございます、という気持ちでいっぱい。選手単推しなんてこんなもの。キャーキャー騒いで他は知らないとか、よく言われます。知りすぎて後悔してんだよこっちは。そう、そうね、6年も追いかけてればこんなものですよ。だからもう、感謝しかなくなるわけ。

夢じゃねええええええ!げんじつ!!

朝の投稿に動悸がしました。ヤバいどうしようめっちゃ似合ってる。やっぱりNIKEだよね。てか愛おしいなオイ。愛用してるカイリー7、いつものタトゥー、やっぱりフェードと髭しか勝たん。

は?かっこよすぎるんですが???

さて試合はどうだっかというと。負けましたね。スリーが入ればもしかしたら、と思っていましたが、「もしかしたら」は、もっとたくさん努力しないと降ってこない類のご褒美だと思うのです。

私は個推しで瞳が曇っているっていう設定ですが、負けは負け。というか、高さと速さの両方で敵わないならチャンスはない。

ルークさんも、スリーは、入らなかったしね。そりゃあ所属のファイティングイーグルス名古屋様では今シーズン、ルークのスリーは必要ないという方針なのか、アテンプトが全試合合計6本しかないんだもん(昨シーズンは1試合平均2.9本)。合宿前に、実戦でシュート感覚掴ませてあげたかったな…。

あと、ジョウチーをどうにかするのは大変な宿題でした。上手いし速いね。はいボックススコア。

ルークさんは29分・10得点・8リバウンド
チームのスリーポイントは7/35と深刻

真面目にバスケットの話でもしますか。

男子日本代表は、これからの方向性と編成をトム・ホーバス氏に委ねました。日本代表YouTubeインサイドアカツキにはその言葉の端々が動画として残っていますが、それを見て、

☑︎ディフェンスのシステムを理解し、
☑︎スリーポイントの確率を高め、
☑︎走り合いに勝ち、
☑︎全員が強い気持ちで試合に臨む

という点を重要視していたと私は思いました。つまり、サイズを捨て、機動性とアウトサイドに賭けるバスケットを遂行する。国内リーグで、高いサイズとキャリアを持つ外国籍の輸入にある程度頼り、ロールプレーヤーとしての貢献度が必要とされることの多い男子には難しい命題かもしれません。自分のスリーの確率がチームの命運をど真ん中で握るなんてシチュエーションはあまりないから。

現時点では及第点にも遠く及ばない出来でしょうか。厳しい船出ですが、ホーバス氏とその方向性を契約したのは日本バスケットボール協会なんでしょうから、やるならやるしかない。持ちうるカードの中で育てられるものを育て、使えるものを使い、もちろん手持ちにないものは使えない。

3人で28得点

ポイントリーダーの表に載ったのが、代表の常連ではないことについてはどう感じるかは人それぞれですが、エヴァンスルーク選手はパスも出し、ボールプッシュもできる器用な選手で、本来ならばチームメイトを活かしながら10点くらい取るのが持ち味なので、リーダーの表の上に載るのは試合自体が微妙な証拠です。上に来るのはトップシューターと日本人エースでなければならない。方針的にもね。

ルークさんはファジーカス選手のように類稀なるシュート確率はありません。ロシター選手のような身長と高いFT確率もないです。ギャビン選手より身体能力は低いかもしれないですし、重戦車のように全てが止まった時に1人で打開する力のあるタイプではないです。だから別の期間になれば、選出されるかは私には分かりません。

私の気持ちはこうです。誰よりも速く助けに戻って来ようとする人です。誰よりも味方のサポートをどんなにハードでも頑張る人です。誰よりもリーガルに守ろうと諦めない人です。

ずっとそうです。

初めて見た日からずっとそうです。チームメイト、ここでいうならば「日本人選手」が得点する機会を延々とスタッツに残らない泥仕事をして、文字通り汗水垂らしながら作れる人です。

ホーバス氏が大切にしていることがこの動画で語られています。

毎日、毎日、昨日よりいいバスケをやろう。
その気持ちが必要。
この世界のトップレベルは、細かいことが大きい。
細かいことは気持ち。集中力、エネルギー。
よく言うでしょ?しつこく。
エネルギーが足りない、集中力が足りない。
その小さいことが大きいです。
1人ずつやって、1人ずつ上げて。
皆がやったら、チームも伸びます。

こういう信念だ、ということですね。ホーバスのバスケットの底に流れるものです。

ルークさんは、大量得点でチームを救おうとする従来の帰化選手に比べたら、高さも得点力も足りなかったかもしれません。けれども、丁寧にハンドオフに走り寄り、苦手なフリースローを4/5本決め、トップからペイントまでディフェンスし続け、掻い潜ってファストブレイクを駆け抜け、エンドの最後までボールを追いかけ、誰よりも速く戻ろうと走り、ファウルで追い出されることなく約30分間コートに立ちました。

以前、私はルークさんにとある質問をする機会がありました。
「ねえルークは、来世があったら何になりたい?」
少し考えたあと、ルークさんはこう答えました。
「バスケットボール選手になりたいという夢が、今、叶っているから、今しか考えてないんだ」

今を生きる。
そう、ルークさんはそういう人でした。
野暮な質問でした。

ルークさんは、情熱的だったと思います。私はルークさんを応援してきて、今日の彼を誇りに思います。
願わくば、再びコートに立てるチャンスが、これから訪れますように。


2021.11.