新幹線のアナウンス

「出発よし!」
低い心地よい声で、歯切れよく、威勢よく駅員さんの声が聞こえて、ゆっくりと新幹線のドアが閉まります。

新幹線の車内では「この列車はこだま○○号 東京行きです。途中の停車駅は…」と、少し鼻にかかった、少し高い声で、車掌さんのアナウンスが流れます。

最近は英語のアナウンスもありますが、それも硬い日本人発音の英語でこなします。

時にはクセの強い、個性の強いアナウンスをする方もいて、あ、またこの車掌さんだ、と分かるほどです。

あぁ、本当に新幹線を愛していて、車掌としてのこのアナウンスができることが誇りなんだな

ご存知の通り、全てプロによる録音のアナウンスがあります。
時にはそのアナウンスを流す列車に乗ることもあります。

確かに、録音のほうが整然としていて、余計な情報はなく、必要な情報だけを伝えてくれています。

でも、私はクセの強い、個性の強い車掌さんのアナウンスが好きです。

きっと、子どもの時から鉄ちゃんで、新幹線が大好きで、新幹線で働くことが夢だったんだろうな、なんて想像したりします。

それに、子どもの頃、新幹線の車内で聞いたアナウンスを思い出して、今も変わらないことに懐かしさとうれしさを感じてわくわくしたりします。

海外の駅や電車の車内では、そもそもこんなアナウンスはありません。
これだけ注意喚起をするのは日本特有の文化とも言えます。

ICT、AIの導入で、業務の簡素化、簡略化と言われますが、こういうところは人間にやってほしいなと思います。

あくまで個人の見解です。

ありがとうございます! 短編集の制作に使わせていただきます!