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Photo book 『 VIVA MAGENTA 』 について

こんにちは。こんばんは。高橋優里です。
先日もお知らせさせていただきましたが、2023年9月15日(金)〜9月18日(月)に渋谷Hikarieで開催される【 東京カメラ部2023写真展 】に参加させていただけることになりました。今日は会期中に設置するフォトブックの1つ『VIVA MAGENTA』について、写真を撮るきっかけになったことや何を思いながら作成したのかなどを書き残しておこうと思います。

今回作成したPhoto book『VIVA MAGENTA』

こちらのフォトブックは、会期中に企業出展ブースにて参考出品されるARTBOOKという商品で作成していただきました。企業出展ブースとInstagram部門にある私の展示作品前に一冊ずつ置かせていただきます。この記事はフォトブックを見る前後どちらで読んでいただいても楽しめると思いますので、よかったら続きを読んでみてください。

この一冊は、PANTONE ( パントン ) 社がColor of the year 2023 に選んだ色「Viva Magenta ( ビバ マゼンタ ) 」からインスピレーションを受けて作成しました。

PANTONE社とは、アメリカにある色見本を制作する会社です。ファッションはもちろん、工業など世界中の製品に多く利用されています。そのPANTONE社が毎年12月に「PANTONE Color of the year」として翌年のトレンドカラーを発表します。ファッションの流行から経済状況まで徹底的に調査をし、その時の世界の風潮も捉え選定されます。単なるトレンドカラーではなく、私たちは今の時代をどう生きていくのかというメッセージも込められているのです。

2023年の色「Viva Magenta ( ビバ マゼンタ )」

https://www.pantone.com/hk/en/color-of-the-year/downloads/wallpaper

2023年に選ばれた色が「ビバ マゼンタ」。
色としては一見濃い赤色ですが、典型的な赤やオレンジ系の赤ではなく、少し青色も加わっており温かさと冷たさのバランスのとれた色合いが特長です。

PANTONE社は、色について次のように説明しています。

パントンのカラー オブ ザ イヤー、ビバ マゼンタ 18-1750 は、元気と活気に満ちた振動を与えます。自然に根ざした赤系の色合いで、新たな強さのシグナルを表現します。ビバ マゼンタは勇敢で恐れを知らず、その活気に満ちた色が楽しく楽観的なお祝いを促進し、新しい物語を書き起こします。

今年のカラー・オブ・ザ・イヤーは力強く、力を与えてくれます。それは、純粋な喜びを満喫し、制約のない実験と自己表現を奨励する新しいアニメーションの赤であり、際立ったステートメントとして現れる、電撃的で境界のない色合いです。PANTONE 18-1750 Viva Magenta は、人生に対する同じ熱意と反骨精神を持つあらゆる人を歓迎します。大胆でウィットに富み、すべてを包含する色です。

https://www.pantone.com/hk/en/articles/color-of-the-year/what-is-viva-magenta


型破りな時代に新しいビジョンを提示してくれる色

この色が2023年に選ばれた理由の1つには、2020年からのパンデミックが関係しています。行動変容を強いられたパンデミック禍。ライフスタイルに留まらず様々な価値観、考え方が世界中で大きく変わりました。そこに加えて、気候変動や戦争、経済など私たちの生活に不安要素は今現在も増え続けています。PANTONE社は、このゴールが見えない不安定な事態を乗り切るためには、癒しと歩み続けるモチベーションが必要だと考えました。力強く、温かさとクールのバランスを象徴するViva Magentaは、従来とは異なるこの型破りな時代に新しい強さをを示してくれる色なのです。

この色について、そして選ばれた理由について調べていく中で、私が常々思っている「強くしなやかでありたい」という思いとリンクする部分が多く、自分が理想としているあり方を力強く支持してもらえたような安心感を得られました。PANTONE社が掲げているように、まさに安心感とモチベーションを与えてくれたのです。

私が目標とするあり方

「強くしなやかに」というのは友人に言われた言葉です。当時、人生の岐路に立っていた私は、性格に加えて若さもあったのでしょうか。がんばる!強くなる!とたびたび話していた私に友人は「強くならなきゃって思うのもいいことだけど、我慢とは違うからね。柔軟さも必要だよ。強くしなやかにね。」と言葉をかけてくれました。恐らく当時は早く理想に近づかなければと気持ちだけが先走っていて、外側だけ強化しようとしていたのでしょう。きっとそのままだったら理想を追い求めるあまりに焦り、心に余裕がないまま過ごしていたと思います。

「主張が強いけれども、攻撃的ではないViva Magentaは、大胆に支配するのではなく『ベルベットの手袋の中の拳』のようにアプローチをとるのです。」というPANTONE社のコメントは、内に秘めた強さをとても面白く表現していると感じました。それと同時に、当時の私は強さというワードで自分を締め付けていただけだったことに気がつきました。

経験をクリエイトへ繋げる

色について調べ、自分の経験と照らし合わせて感じたこの体験を何か形にして残したいと思い、2023年1月からViva Magentaをテーマカラーに、強さとしなやかさを兼ね備えた花の姿を撮り始めました。


まずはお花のセレクトから

厳密にカラーコードを拾った訳ではありませんが、近い色や強さ・しなやかさを感じる花を選びました。普段からお花屋さんで選んでいる時って実は無に近い状態なのだと最近気がつきました。きっとそのとき自分に不足していたり、もっともっと必要だと思っているものを無意識に選んでいる気がするので、今回も意識しすぎす普段に近い感覚で選びました。


撮影はいつも通り自宅のリビングで

背景の色もテーマカラーに合わせて、マゼンタ系を使用。あとはいつもと同じく自然光を利用して、遮光カーテンとレースカーテンを開けたり閉めたりして調整。休憩していたら急にいい感じの光が入ってきて慌ててカメラを構えたり。いつも通りその日その時しかない光と影を纏う花の姿を堪能しながら、強さ・しなやかさ・美しさを感じながら撮っていました。


撮影中に感じた意識の違い

普段と違った点でいうと、撮りながら常に考えていたことが2つありました。
1つは、Viva Magentaについて調べた内容。もう1つは、強くしなやかであるためには何が必要かということです。この色が選ばれた理由や色が持つ意味を反復しながら、強さとは何か、しなやかさとは何かを改めて考え、それに必要な行いをイメージしていました。


撮影を通して整理されていく思考

そして、撮影を通して浮かんできた言葉が「バランス」でした。
喜びや楽しさ・優しさを得ることで内面が磨かれて、それが活力や自信へとつながり、強さや大胆さに繋がっていく。そして、そのバランスが取れた状態が安心感とモチベーションを与えてくれるのではないかという考えに至りました。痛みや辛さを知っているから優しくなれる。優しさを知っているから、強くいられる。どれも必要なことで、常にそのすべてが循環することで芯の強い自分が形成されていくように思いました。

そうやって、これからも理想のあり方を考えながら変化していく様を描くように写真をセレクトし、構成しました。思えば人生の岐路に立った時から10年経過したところでした。節目にこのような出会いと経験ができたことは偶然とは思えず、今このタイミングで改めて考えることが必要だったのかもしれません。私にとってViva Magentaがもたらすパワーは、2023年だけでなくこの先も刺激をくれることでしょう。


ARTBOOOKについて

最後になりましたが、今回こちらのフォトブックは富士フイルムのプロラボサービス「クリエイト」様からのご縁でARTBOOKという商品の参考展示品として作成していただきました。フォトブックというよりはZINEに近い感じ。写真によってはとても綺麗に仕上がっているのですが、少し青が強く出ているなあという印象とか、階調が滑らかではなくザラつきみたいなものが気になる部分もあったり。こちらはまた改めてレビューできたらと思っています。

フォトブックを作る時、どこで作ろう、商品画像だと質感とか分かりにくいな…とかあると思うので、ARTBOOKってどんな感じなんだ?と気になる方はぜひそういう観点でも見てみてください。用紙の種類とか詳細は分かり次第、追加したいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。
フォトブックにこの記事のQRコードを載せる関係で、URLの確認をするために一度記事を公開にした経緯があり、投稿日が8月になっています。フォトブック入稿の事情などもあったので仕方なかったのですが、よく考えたらそうだよな…と反省。勉強になりました。次は気をつけよう。

そんなこともあり時系列がごちゃごちゃですが、この記事を正式に公開したのは9月13日。写真展開催まであと2日!私自身もたくさんの写真やフォトブックを見たり、写真好きな方たちとお話しするのが楽しみです。お会いできる皆さま、どうぞよろしくお願いします。



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